売れに売れてるオフィシャル10年の正統進化系。
BENROMACH 15Y. 43% OB
評価:★★★☆ Recommend!
CP:☆☆☆☆
価格:★☆
ボトル紹介
売れに売れてる、ベンロマックのオフィシャルボトル、ミドルレンジ品
ベンロマックのオフィシャルスタンダードとしてはミドルレンジにあたる15年ものです。
僕ことドリラジがベンロマック大好きなのは有名な話(どこで)ですが、そうはいっても随分前から発売しているオフィシャルボトルのベンロマック15年です。なんで今更記事にしてるの?お前という人間を形容するキーワードは今更なの?みたいなこと言いたくなる気持ちも分からなくはないですよ。
でもね、そういうみんなは飲んだの?直近でリリースされたベンロマック15年を、ねえ、飲んでみたわけなの?
はっきり言うと、なんでこのタイミングでベンロマック15年の記事をUPする気になったかというと、今このタイミングでベンロマック15年がめっちゃ美味いからです。
少し前まで、微妙…と思っていた時期が、僕にもありました。
実を言うと、自宅にはだいぶ前からあるんですよ、ベンロマック15年。2016年のロットです。むしろないわけがないんですよ。10年43%買ったら10年100プルーフも買うし、15年も買いますもんね。普通はそうなっちゃうんですよ誰だって。ベンロマックなわけですし。
そして買ったらやっぱり飲むじゃないですか。そして飲み切ったらもう一本追加しますよね?みんなの家のベンロマックも僕のところとそんなに大きくは変わらないわけで、それが普通ですし、たしかに僕はちょっとだけ変態かも知れませんが概ね普通の人なので、やっぱり普通の流れに身を任せてしまうと普通そうなっちゃいます。つまり何が言いたいかというと普通に持っていたということを言いたいわけなんですけどね。
https://twitter.com/drinkerslounge/status/1265708792865370112?s=21
そんなに前から持ってるならもっと早く記事にしろやと言われると、まあそうだったのかも知れません。ただ、ですよ。
僕がずっと持っていた2016年ロットのベンロマック15年、割とイマイチだったんですよ。
箱が豪華で、コルク上部がプラ製のボトルですね。Twitterの写真でいうところの、向かって右側です。
めっちゃ刺さりまくる!とかね、逆に許せぬ!とかね、そういう要素があればですよ?つまりそういう色々な意味でエモーショナルでハートムービングなボトルだったらですよ?僕だってすぐに書いちゃいます。もう早いですから。
ベンロマック大好きマンとして今はもう許したし何なら未開栓のボトルがもう一本家にある、あの伝説のベンロマックだって、みんな飲んでみたら分かるけど物凄くハートムービングなボトルだったから凄い勢いで書きましたし。
でもね、自宅にもともとあった15年はね、書けなかった。そして全然減らなかった。
ただね、翌年、翌々年と、ラベルは変わらないけど新しくリリースされるベンロマック15年がどんどん美味くなってきてることに、もちろん僕は気が付いていましたよ?
武蔵屋さんの試飲会に行ってみたり、ウイスキーフェスでジャパンインポートさんのブースに行ってみるたびにベンロマックを飲んでいた僕は、「あ、やっぱり15年、やれば出来る子なんだ」って、その成長を静かに見守り続けてきたわけですよ。
ちなみに10年はボトルが今のデザインになってからもうずっと美味しく、ぶっちゃけずっと出来る子だったので、15年を見守るときの僕の気持ちは完全に「お兄ちゃん頑張れ!」っていうあの気持ちですよね。
そんな中、遂に、遂にです。潮目の変わる瞬間が来たわけなんですね。
【前向きなメダル!】
— ジャパンインポートシステム (@jis_cheers) May 15, 2020
世界的な酒類コンペ、サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション 2020にて、「ベンロマック 10年」が金賞、「ベンロマック 15年」は最優秀金賞を受賞しました。
世界中が大変な時ですが、受賞の知らせに少しずつ前向きな気持ちになってきました!#ベンロマック pic.twitter.com/QOXvn7Hvyt
https://twitter.com/malt_samurai/status/1264802082281775104?s=21
ベンロマック 15年、ワールド ウイスキー アワード(WWA)でベストスペイサイドに選ばれたとか。#招福堂 #横浜バー #ウイスキー #シングルモルト #カクテル #フルーツカクテル #休業中 https://t.co/NY1qxMRwgX pic.twitter.com/qyRLRjssyW
— BAR招福堂 (@BarSHOUFUKUDO) April 14, 2020
【2020年に飲むべきウイスキー】
— ジャパンインポートシステム (@jis_cheers) April 13, 2020
イギリスロンドンの世界的に有名な酒商「ウイスキーエクスチェンジ社」が選ぶ“2020年に飲むべきウイスキー”に「ベンロマック 15年」が選ばれました!
オンライン飲み会のお供にいかがですか?
まずはストレートで・・・次に加水して・・・#ベンロマック pic.twitter.com/EDFiGd1PbR
おっとモルトヤマでもベンロマック15年をしかも予約で取り扱いとは。最新ロット入荷じゃないですか、やりますね。このタイミングで10年じゃなくて15年を推してくるあたり、完全にわかってる。確信犯ですわ。https://t.co/3xPwhAB5Eg
— Drinkers Lounge | ドリンカーズラウンジ (@DrinkersLounge) May 25, 2020
あ、これはもう、今しかないなと。
今なら間違いなく推せるなと。
というわけで、前置きが非常に長くなってしまいましたが、ここからはベンロマック15年という素晴らしいウイスキーの素晴らしすぎる素晴らしさについて書いていきたいと思いますので、最後までお付き合いのほどよろしくお願いします。
テイスティング
10年の正統進化系。ピートは穏やかに、フルーツ香は複雑に、熟成感はしっかりと。
まずベンロマックの素晴らしい素晴らしさを伝えるために、「とりあえず素晴らしい」がそろそろ枕詞(まくらことば)として定着しそうな感のあるベンロマック10年についてお知らせしたいわけですが、これは先日ブログに書きました。
それを踏まえた上でベンロマック15年がどういうシングルモルトなのかを説明しますと、こちら、もう素晴らしいです。輪をかけて素晴らしい。
このボトルの何がどう素晴らしいのかを簡潔に述べるなら、素晴らしいオフィシャルスタンダードのベンロマック10年の完全な上位互換だというところが素晴らしいのです。素晴らしい10年の上位互換なんだから、それはもう素晴らしくて当然なわけなんですね。
お前さっきから「素晴らしい」しか言ってねえな!と言われても仕方がないくらい素晴らしいを連呼しましたので、そろそろちゃんと説明します。
ベンロマックのオフィシャルスタンダードは、柑橘や柑橘の皮を思わせるフルーティーさに燻製ナッツを思わせる内陸ピート、微かなシェリーカスク由来の香味が折り重なる個性的な香味を持っていますが(ベンロマックは他のメジャー蒸留所のシングルモルト同様に他では代替えできない個性を持っていると思っています)、ベンロマック15年は、10年と比べてピートはより上品に、フルーツ香は酸味の他に甘味が深まってより複雑に、熟成感は年数相当にしっかりとしつつ、溌剌とした部分を残しています。
それにより10年よりも雑味やえぐみといった余計な部分が取り払われ、まさにブラッシュアップという言葉が相応しい、磨き上げられたベンロマックと表現できるような仕上がりになっています。
香味バランスをより高めることで個性を洗練させるという、まさにオフィシャルスタンダードの正当進化を王道で往く味わいだと、僕は思っています。
どんな人にオススメか?
ベンロマック15年は誰にでもオススメできるボトルですが、
- オフィシャル現行でメジャーどころはとりあえずだいたい飲んだ。
- ベンロマック10年が好き。
- スプリングバンク10年、キルホーマン100%アイラが美味しいと感じた。
- 90年代のボウモアが好き。
- 家でできる贅沢ハイボール用のシングルモルトを探している。
上記に当てはまる人はとりあえず買いです。自宅で数本消費待ったなしでしょう。
残念ながら上記に当てはまらなかった人、そうですね、とりあえず、一回飲んでみましょうか。はい、飲んでみましょう!色々分かると思うので、えーと、そうですね、まあ、
飲んでみましょうか!
ベンロマック15年。
— Drinkers Lounge | ドリンカーズラウンジ (@DrinkersLounge) May 27, 2020
左が2018年ロットでコルクが木製、箱が簡素。右が2016年ロット、コルク上部がプラ製で箱がちょい豪華。
オススメは2018年ロット。味が全然味が違いますw
箱が簡素なベンロマック15年を狙うといいよ! pic.twitter.com/XBsgogdNE9
ウイスキー好き、シングルモルト好きなあらゆる飲み手にオススメしたいボトルだと、個人的には激推ししたいです。
テイスティングノート
香り:
しっかりとした香り立ち。酸味と甘味を伴う柑橘系フルーツ香、麦芽の熟成感、少しすえた印象のある穏やかな内陸ピートとのバランスがうまく取れている。塩を振ったグレープフルーツとその皮、オレンジマーマレード、シナモンとアップル。ほんのりとカラメル。奥から溌剌とした麦芽の熟成感が感じられ、フルーツ香を下支えしているのを感じることができる。要素が豊富で複雑。
味わい:
しっかりとした口当たり。柑橘と岩塩。グレープフルーツのワタや柑橘の皮、マーマレードのニュアンスを香りから引き継ぐ。心地良い収斂と内陸ピート。少し遅れて溌剌とした麦芽の熟成感。ボディは中程度で、そのまま余韻へと移行する。
余韻:
心地良い収斂を引き継ぎ、ビターさ、柑橘の皮、かすかにスモーキーな内陸ピート。余韻は中程度でじんわりと持続する。