グレンスコシア 2007 – 2019、11年 57.8% SMWS 93.102 “Papaya the sailor man”

蒸溜所らしさがしっかりと感じられフルーティー、かつ価格も手頃。

GLEN SCOTIA 2007-2019, 11Y. 57.8%

SMWS 93.102 “Papaya the sailor man”


評価:★★★ Recommend!

CP:☆☆☆☆☆

価格:★


ボトル紹介

目次

ソサエティ2019年8月リリースからの一本

SMWSから2019年8月にリリースされたばかりのグレンスコシア、2007年蒸留の1stフィルバーボンバレル熟成、2019年ボトリングの11年ものです。

グレンスコシアは最近気になっている蒸留所だったのと、今回のボトルは価格もお手頃だったので購入してみました。

スプリングバンク、グレンガイルに次ぐキャンベルタウン地域第3の蒸留所であるグレンスコシアが、国内のアクティブな飲み手から少しずつ注目され始めたのは、2017年のThe Whisky Hoopのリリースが皮切りだったのではないかと思います。現在では蒸留所の認知度や味わいへの評価も順調に上がっている印象で、ここ最近でも信濃屋、バーキャンベルタウンロッホ、スコッチモルト販売などからプライベートボトルがリリースされています。

オーナーがロッホローモンドグループに切り替わった以降のグレンスコシアのハウススタイルとしては、キャンベルタウンモルトらしい塩気に加え、味わいにクリーミーな印象があるのが個人的には特徴だと思っています。また、フルーティーさも一定以上に感じられるボトルが多い印象です。


テイスティング

ブリニー!フルーティー!美味しいボトル

抜栓直後ですが、とりあえずこのボトルは良いボトルです。

香りにはキャンベルタウンモルトらしいブリニーさに加え、奥のほうからは華やかなフルーティーさも感じられます。グラスに注いでから時間をかければ、非常にうっすらとではありますが桃のような香りも取れるかも知れません。

熟成期間は11年ですが麦芽感に未熟さがなく、むしろブリニーさやスモーキーさが良いアクセントとなっていて、溌剌とした印象が強いところは好印象です。「熟成年数の長さは必ずしも美味しさと比例しない」と言えるタイプではないでしょうか。

今回のテイスティングは抜栓直後に行ったものですが、バーボン樽由来のオレンジやうっすらとしたキャラメル感、口に含んだ後のクリーミーな印象がハウススタイルから外れないだけでなく、時間をかければフルーティーさも開いてきます。そのため、キャンベルタウンモルトが好きな飲み手は勿論あらゆるモルト愛好家に積極的に勧められるボトルだと思っています。

しかも価格は抑えめで、度数から考えても今後の香味の開きまで十分に期待できる高コスパの良ボトルであり、躊躇なくRecommend!としました。

良い買い物だったと思います。

ソサエティ現会員であれば、とりあえず押さえておいて損はないのではないかと思いますが、どうでしょうか。せっかくなので他の方の感想も聴きたいところです。


テイスティングノート

香り:

しっかりとした香り立ち。ややアルコールの揮発を伴うが、ブリニーでフルーティー。林檎、バーボンバレルらしいオレンジ、塩気と海藻、穏やかなクリーミーさのある溌剌とした麦芽の甘み、乳酸菌飲料、ややミント、微かにすえたようなスモーキーな印象のあるピート。時間を置くと奥からゆっくりと、そして微かに桃、言われれば少しだがパパイヤもあるかも知れない。ただしマンゴーは言い過ぎか、あっても海外産だとは 思う。今後の開きは期待できそうな印象。

味わい:

度数相当に力強い口当たり。キャラメルを思わせるクリーミーな舌触りで、樽感と共に溌剌とした麦芽が前に出る。ボディは中程度以上、またはやや厚く、徐々にドライさが現れつつ余韻へと移行する。

余韻:

ブリニーさとドライさ。バーボン樽由来の甘さと若干の収斂、じんわりと長く伸びる。


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