リンクウッド 12年 43% 花と動物シリーズ

スペイサイドモルトらしいスペイサイドモルト

LINKWOOD 12Y. 43%

Flora and Fauna


評価:★★☆ Recommend!

CP:☆☆☆

価格:★


ボトル紹介

目次

「花と動物」シリーズのリンクウッド

「花と動物(Flora and Fauna)」シリーズは、旧UD(ユナイテッドディスティラーズ)社が所有していた蒸留所のシングルモルトをリリースするシリーズで、それぞれの蒸留所にちなんだ花や動物がモチーフとしてラベルに描かれているのが特徴です。シリーズとしてのリリースは限定的で現在は発売されていないもの(カリラなど)もありますが、れっきとした蒸留所元詰めボトルであり、基本的にオフィシャルボトルとして扱われています。

ユナイテッド・ディスティラーズ(UD)社は、現在のディアジオ社の前身です。ウイスキー界の巨大資本の歴史を超かいつまんで述べますと、UD社の前身は1877年創設のディスティラーズ・リミテッド・カンパニー(DCL)。これが1986年にギネス社傘下となることで社名がユナイテッド・ディスティラーズ(UD)となりました。1997年12月、UD社の親会社であるギネス社がグランドメトロポリタン社と合併したことで現在のディアジオ(Diageo)社が誕生します。以降、旧UD社はユナイテッド・ディスティラーズ&ヴィントナー(UDV)を名乗り、その際に所有していた4つの蒸溜所(アバフェルディ、オルトモア、クレイゲラキ、ロイヤルブラックラ )をバカルディ社に売却します。

ちなみにこのボトルは、シリーズでは2000年代半ば以降にリリースされた少し古いボトルだと思われます。切り替わりの時期は不明ですが(誰か教えてください)、上部の文字の大きさの違いで判別が可能です。

また、最初期のリリースはキャップシールが白、2000年代半ばまでは裏ラベルがなく、輸入元のシールが貼られているだけだったそうです。Facebook経由で山岡秀雄氏からご指摘をいただきました。


テイスティング

スペイサイドモルトの特徴を過不足なく備える

香りはエステリーで華やか、ボディは軽く、麦芽の香味は穏やかと、私が思う典型的なスペイサイド地域のシングルモルトの特徴に合致する味わいです。

加水ボトルということもあって飲み口に引っかかりもなく、いつまでも飲むことが出来てしまうタイプのボトルだと思います。

熟成年数以上の複雑さや特別感こそありませんが、ネガティブな要素がなく、万人受けする美味しいシングルモルトだと思います。

この初期ボトルは、もしかしたら現行ボトルと比べると少しだけ麦芽の香味が強いかも知れません。


テイスティングノート

香り:

穏やかな香り立ち。エステリーで華やか。洋梨がやや強く、林檎、オレンジ。奥からクリーミーな麦芽香。微かに燻した干し藁のような内陸系ピート。

味わい:

口当たりは滑らかで、度数相当に優しい。僅かに乾いた木材の収斂、蜂蜜、バニラ。エステリーさを引き継ぎつつ、そこから穏やかに麦芽の甘み。ボディは軽く、そのまま余韻へと移行する。

余韻:

優しく、中程度の長さの余韻。穏やかなバニラや蜂蜜の甘さを引き継ぎ、乾いた印象のある木材の収斂とドライさが弱く持続する。


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