シェリーモートラック。オフィシャルに近い香味。
MORTLACH 1990-2008, 18Y. 46%
Valentino Zagatti’s Personal Choice
Celebrating his 50 years of Collecting.
評価:★★☆
CP:☆☆
価格:★☆(当時価格)
ボトル紹介
盲目のウイスキーコレクター、ザガッティ氏のコレクション歴50周年を記念したボトル
シルヴィアーノ・ヴァレンティノ・ザガッティ氏はウイスキーコレクター界ではその名を知らない人がいないくらいの重鎮です。
このボトルは氏のコレクション歴50周年を記念してボトリングされたボトルのうちの一つ、1990年蒸留のモートラックです。以前同シリーズのカリラの記事の中で、このシリーズのボトル一覧、コレクション終了後の氏の所有ボトルの行方などについて記事にしました。
コレクション歴そのものを記念してボトルが詰められることは珍しく、ウイスキーコレクターとしてはこれ以上ないくらい、とても幸せなことだろうと思います。
テイスティング
味わいはオフィシャルボトルに近い
このシリーズのボトルスペックには不明な点が多く、特に使用された樽種、シングルカスクなのかヴァッテッドなのかといった情報は不明です。ただ、シリーズそのものはおそらくシングルカスクの加水ボトルだろうと思われます。
このボトルにも樽種の記載はありませんが、シェリーカスクのモートラックでおそらく間違いないと思います。予想の域を出ませんが、個人的にはファーストフィルのシェリーバット、アメリカンオークのシーズニングカスクなのではないかと思っています。
味わいは、シェリーカスクのモートラックとして典型的というか、オフィシャルボトルのイメージを崩さない仕上がりだと思います。
シェリーカスク由来のレーズンや少し土っぽさやスパイシーさのある香味の中から、モートラックらしいミーティーな香味が上がってきます。加水ボトルらしく雑味は抑えられています。
味わいとしては想定を超えるものではなく、言ってしまえば普通かも知れませんが、少なくとも普通に美味しいです。
記憶に残るか?と言われると正直言って微妙なのですが、味わい自体は特に文句なく楽しめるボトルというか。
「ちょい古なボトル!」みたいなテンションで飲むボトルではなく、当時も今も、こういうリリースはあったんだなぁ…と思いながら飲むくらいが丁度良いのではないかと思います。
テイスティングノート
香り:
穏やかな香り立ち。やや平坦。アメリカンオークのシーズニングシェリーカスクを思わせるレーズン、腐葉土、スパイス、そこからミーティーさ(肉っぽさ)が現れる。奥から控えめに麦芽香。
味わい:
口当たりは加水を思わせる優しさだが、度数相当の力強さを残す。香りの要素をそのまま引き継ぎ、穏やかなレーズンとスパイス、ミーティーさ。ボディは然程厚くなく、やや軽い〜中程度。程なく余韻へと移行する。
余韻:
スパイシー、レーズン、穏やかなドライさ。