アラン 2001 – 2010、57.8% ラバーズチョイス

過渡期のアラン。カスクマネジメントは現在にまで通ずる印象。

ARRAN 2001-2010, 57.8% LOVER’S CHOICE

OB


評価:★★☆

CP:☆☆☆

価格:☆(現在は終売)


ボトル紹介

愛好家が選んだアラン蒸留所15周年記念ボトル

2010年6月のアラン蒸留所の15周年キャンペーン企画に当選したアラン愛好家たちが、蒸溜所マネージャーのジェームズ・マクタガートと共に数種のカスクサンプルの中から選んでボトリングした、アランのオフィシャル限定シングルカスクです。

カスクナンバーは838、樽種はバーボンバレルだそうです。限定ボトルらしくカスクストレングスでボトリングされていて、アウトターン(ボトリング本数)は242本です。バレルサイズにしてはやや多めですね。


テイスティング

過渡期のカスクマネジメントを知る貴重なサンプル

はっきり言ってしまうと、単純に味わいだけなら現行のアラン10のほうが美味しいと思います。

これはアラン蒸留所が美味しいシングルモルトを作るために重ねた弛まぬ努力の表れだと心から思うので、現行のオフィシャルボトルが当時の限定ボトルよりも美味しいことは感謝してもし切れないくらい、本当にありがたいことだと思います。ええ本当に。ガチでそう思います。

このボトルについてですが、香りにも味わいにもやや荒削りな印象があるものの、バーボンカスクの樽感だけを取り出してみると、その当時の試行錯誤というか、実験精神というか、より良いものを作るためのチャレンジというか、何というか造り手のそういう前向きな気持ちが見えてくる気がします。

このボトルの原酒の蒸留年である2001年は、アラン蒸留所が操業して6年目に当たります(アランの創業は1995年)。6年という年月を考えると、おそらくは試行錯誤の末に原酒の目指すべき酒質が見えてきて、アラン原酒の個性(アランらしさ)や品質をある程度保てるようになってきた時期なのではないかと思うのです。私自身は作っていないので実際のところは全然知らないということを抜きにしてもですよ。

その中で、熟成に使う樽選びについても、様々な樽種での実験的な熟成を経験した後に、今後の主軸となるであろうバーボンバレル(ウイスキーの熟成において最も一般的な樽種なので)での熟成に手応えを感じ始めた時期なのではないかと推測します。

そうした中で、アラン蒸留所の原酒の個性に合った樽選び(カスクマネジメント)という視点で考えると、このボトルの樽選びの延長線上に、現行のアラン10年や最近リリースされたばかりのアラン8年クオーターカスクTWC向けの個性があるような気がします。

現在にまで続くアラン蒸留所のカスクマネジメントにおける過渡期の味わいの一つを体験させてもらっているようで、非常に感慨深いです。

当時どういう評価だったのかは分からないので、私の評価は後出しジャンケン的だろうと思います。しかし「現時点から過去を振り返る」という飲み方は、今と未来の飲み手だけに許された数少ない特権のうちの一つだと思うので、今回はとりあえず有り難く使わせていただこうと思います。

まとめとしては、「これは非常にメモリアルなボトルだが、現行のオフィシャルスタンダードのほうが美味しい。それはつまり今後のアランも期待大!ってこと」です。


テイスティングノート

香り:

先行するのはバーボンカスクの甘さだが穏やかで、バニラにやや乾いたオーキーなウッディネスを伴う。アルコールの揮発香は強く、ドライな印象。オレンジやライムといった柑橘を思わせる甘さと酸味が感じられるが、やや籠っている。

味わい:

度数相当にドライ、バニラ、オーキー、ややオイリー。口の中で徐々にオレンジ、蜂蜜、キャンディといった甘さが開いてくる。

余韻:

スパイシーでドライ。バニラと柑橘の甘さをうっすらと引き継ぐ。


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