インペリアル 1990 – 2018、28年 52.1% ウイスキートレイル ディスティラリースペシフィック cask#936

シスターカスクの青いほう。乾いたオークと黄色いフルーツ。

IMPERIAL 1990-2018, 28Y. 52.1% Whisky Trail “Distillery Specific”

Elixir distillers for Whisk-E, Japan.

cask# 936, barrel


評価:★★★

CP:☆☆

価格:★★★


ボトル紹介

目次

2本発売されたインペリアルの青いほう

スキンダー・シン氏率いるウイスキー通販最大手The Whisky Exchange社。そのボトラー部門のスペシャリティドリンクス社は2017年にエリクサーディスティラーズへと名称変更しました。アイラ島に新しい蒸留所の建設も進めているなど、何かと注目の会社です。

今回のボトルはウィスク・イー向け(つまり日本向け)に2本リリースされた1990年蒸留のインペリアルのうち青いラベルのほうです。同時にリリースされた2本は樽番号935(赤)と936(青)の完全なシスターカスクになります。

日本全国の酒販店でリリースされたのはこの青いラベルのほうで、飲んだ人の評価がツイッターなどで話題となり、売れ行きも好調だったようです。

対して赤ラベルは経緯は不明ですが武川蒸留酒販売でのみ発売されました。

赤ラベルの記事はこちらです。

インペリアル 1990 – 201828 50.1% ウイスキートレイル ディスティラリースペシフィック cask#935


消滅した蒸留所、インペリアル

インペリアル蒸留所はビクトリア女王即位60周年記念に当たる1897年に設立され、そのことが名前の由来にもなっています。閉鎖はおよそ100年経った1998年でした。設備は2013年に全て撤去されており、2015年には跡地にダルムナック蒸留所が建設されています。

つまりこの世から完全に消滅した蒸留所であり、今後どんなことがあっても同じ蒸留所から新しい原酒は作られません。その意味で、今後ますますレアなシングルモルトになっていくでしょう。


テイスティング

バーボンバレルの樽感と甘さに麦芽の熟成感

リフィルバーボンバレル熟成の特徴が全面に出たシングルモルトだと思いました。リフィルかどうかは知らないんですけども。

バニラやキャンディを思わせる甘さにオーキーさが合わさるとともに、麦芽の熟成感もしっかりと備わっています。口当たりも度数相当で、ドライな余韻も含めて飲み応えがあります。

それなりにしっかりとした樽感にはやや乾いた印象があり、フルーツ香は黄色い果実を思わせます。この二つの要素は赤ラベルとは異なる個性だと思います。

全体として要素が豊富で完成度の高いボトルだと思いました。


味わいと価格との釣り合いをどこでとるか

価格は安いとはとても言えませんが、閉鎖蒸留所の長熟原酒だと考えると、ある程度仕方ないのかなとも思います。

ただ、これ以上価格が高くなった場合、レアリティはともかくとして、味わいとの釣り合いを取るのは難しくなるでしょう。


テイスティングノート

香り:

しっかりとした香り立ち。バーボンバレル由来の甘さと乾いた印象のあるウッディネス。オーキー。バニラ、蜂蜜、オレンジの皮、キャンディ。微かにハーブ。奥から麦芽の熟成感。

味わい:

度数相当でコクがあり、力強い。ややドライで、しっかりとした樽感。バニラ、焦がしバター。しっかりとした麦芽の熟成感。ボディは中程度で暖かい印象。

余韻:

ややドライさが強くなる。オーキーな樽感、バニラや麦芽の甘さを引き継ぐ。

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