シェリーの樽感の違いにフォーカスした2本のリリース、アメリカンオーク編
TAMDHU 2001-2018,17Y. 56.5%
cask#2240
American oak 1st fill sherry butt (100% Oloroso)
120th Anniversary Exclusively bottled for TAIWAN.
評価:★★★ Recommend!
CP:NR
価格:NR
ボトル紹介
ボトル紹介
タムデュー蒸溜所120周年記念ボトル、台湾限定
タムデュー蒸溜所の創業は1897年なので、2017年に120周年を迎えたことになりますが、今回のボトルは2018年に120周年記念ボトルとしてリリースされたタムデュー蒸留所のオフィシャルシングルカスクです。
タムデュー 2002 – 2018, 15年 57.1% 120周年記念 ヨーロピアンオークシェリー 台湾向けと同時にリリースされ、発売は台湾限定です。
アジアンマーケットにおける台湾の躍進を物語るリリースだとも言えるでしょう。
テイスティング
テイスティング
飲み比べでシェリーカスクにおける樽材の個性がより明確に。
シングルモルトは、熟成に使われる樽(カスク)によって異なる香味が与えられます。
中でもシェリーカスク(シェリー酒の熟成に使われた後の空樽)は特徴的で甘く複雑な香味をもたらしてくれるため、人気の高い樽種です。
現在ウイスキーの熟成で使用されるシェリー樽は、スペインでウイスキー用に作られているものがほとんどです。こうしたシェリー樽はシーズニングシェリー樽と呼ばれています。今回の2種類のタムデューも、特に記載はありませんがシーズニングシェリー樽で熟成させたものだと考えて差し支えないと思います。
ウイスキーの香味に熟成樽がもたらす影響は、①詰められていたお酒の種類、②樽の使用回数、③樽の大きさ、④樽材、などで変わってきます。
今回の2種類のリリースは、①から③まで共通にすることで、④樽材の違いにフォーカスした、ある意味マニア向けなリリースとなっています。そして素晴らしいことに、どちらも美味しいです。
ただ、「シェリーカスク熟成のシングルモルトにおけるアメリカンオークとヨーロピアンオークとの違いを知りたければ、これ以上ないくらい優れたサンプル」だと感じたので遅ればせながら記事を掲載しました。
(サントリーがエッセンスシリーズとして山崎で似た試みをしていて、そちらも十分に興味深かったですが、実際にテイスティングしたのはこちらが先でした)
アメリカンオークは、ベリー、苺、ミルクチョコレート、シロップ
アメリカンホワイトオークで熟成されたこのタムデューは、レーズンの他にベリー、苺、シロップの甘さを思わせる香味の感じられるボトルでした。
私自身、アメリカンオークとヨーロピアンオークとの違いがややボンヤリとしていた部分があったため、そこをクリアに出来たのは非常に良かったと感じています。私は個人的にアメリカンオークには赤い果実の印象を感じるみたいです。
バーで飲んだのでテイスティングノートの分量が少なく、個性をきちんと捉えていないかも知れません。そこは申し訳ないと思っています。
どちらのボトルも新宿三丁目のBar Carusoさんで飲ませていただきました。
気になったのであれば是非とも飲み比べていただきたい逸品だと思います。
テイスティングノート
テイスティングノート
香り:
しっかりとした香り立ちで、シェリーカスクの甘い香り。ベリー、苺、ミルクチョコレート、レーズン、シロップ、心地良いウッディネス。
味わい:
度数相当で、暖かく、樽由来のベリー感を引き継ぐ。蜂蜜も。
余韻:
穏やかなドライさと、シロップの甘さ。
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