近年のオフィシャルクレイゲラキで、こんなボトルが存在したとは…。
CRAIGELLACHIE 1994-2016, 21Y. 56.2% OB
double casked limited edition
travel retail
456 bottles.
評価:★★★★☆
CP:NR
価格:NR
香り:
しっかりとした香り立ち。複雑で濃密なシェリー香。ブラックベリー、凝縮感のある干し葡萄、鞣し革、葉巻、クリーミーで、ややナッティ、少しブラックチェリー、ミルクチョコレート、甘い果実香と麦芽の熟成感、古びた家具、古酒感。入れ替わり立ち替わり、渾然一体としてくる。
味わい:
度数より滑らかな印象の口当たり。クリーミーな舌触りで凝縮感があり、どっしりとしている。プラム、ブラックベリー、干し葡萄、葉巻を思わせるシェリーの甘みの中から熟成感のある複雑な麦芽の甘さがしっかりと現れ、他にバニラの甘さ、炒り胡麻(ごま)のような香ばしさが感じられる。古酒感も伸び、味わいの複雑さを強める。美味しい。
余韻:
味わいの複雑さを引き継ぎ、心地よい樽由来の炭感。余韻は長い。
白地に黒は気合いの証。免税向けオフィシャルボトル。
このボトルは免税向けに空港などで売られているクレイゲラキ蒸溜所の限定ボトルです。
1998年からバカルディ社の所有となっているクレイゲラキは、ウイスキー作りにおける留液の冷却装置に古典的なワームタブ方式(銅でできた蛇管を冷却水に浸して冷却する方式。蛇管の中を留液が通り、酒質は重めになる傾向がある。)を使用している数少ない蒸溜所の一つです。
もともとブレンデッド用の原酒生産が主でシングルモルトのリリースは稀でしたが、2015年にバカルディ社から「ラスト・グレート・モルト」がシリーズ化され、その一つとして正式にオフィシャルボトルが発売されることになりました。「ラスト・グレート・モルト」は同社の所有するクレイゲラキ、ロイヤルロッホナガー、オルトモア、マクダフ(グレンテヴェロン)に、既にオフィシャルが発売されていたアバフェルディを加えたものです。以降、製品ラインナップの拡充が図されています。
そんなクレイゲラキですが、このボトルのラベルのように白地に黒のみで印刷されたものは、蒸溜所がリリースするオフィシャルボトルの中でも特に品質が高く、限定の、非常に気合の入ったボトルです。
一言、素晴らしい。
こんなボトルが近年リリースで存在していたことに驚きを隠せないくらい、味わいは素晴らしいの一言です。
濃密で、フルーティーで、甘く、シェリー樽の良い部分だけを取り出したような香味に加え、原料たる麦芽由来の複雑な熟成感の他、古酒感までもあり、もはや文句のつけようがないです。
免税向けですが、非常に特別感のあるオフィシャルボトルなのは間違いないと思います。
ウイスキーを飲もう!飲み手同士で繋がろう!新しい人を歓迎しよう!
こうしたボトルに巡り会えたこと自体が既に得難く素晴らしいことなのですが、何よりも素晴らしいのはこのボトルに巡り会わせてくれた「人との出会いや繋がり」そのものだと、私は思っています。
このボトルを飲んで、私自身もそうした出会いや繋がりを、出来るだけ沢山の人に提供したいという気持ちが強くなりました。
そのためにも、これからもウイスキーを楽しみ続けていかなくてはならないですね。
勿論、健康と節度は保ちながらなのは言うまでもありませんが!
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