黒糖を思わせるしっかりとした甘いシェリー感と、口当たりから余韻にかけての柔らかさ
THE SILVER GROUSE 12Y. 45% Blended Malt Scotch Whisky
評価:★★☆
CP:NR
価格:NR
テイスティングノート
香り:
穏やかな香り立ち。甘く、黒糖、カラメル、僅かに醤油やみたらしの印象。ウッディネスは穏やかで、僅かな生木のニュアンスと弱いスパイス感がある。奥からローストした麦芽のような香ばしさが現れる。非常に微かだが、枯れ草を燃やしたような印象の内陸ピート。
味わい:
口当たりは滑らか。口に含んだ後は濃厚で少し粘性を伴う。香りから黒糖やカラメルの甘さ、香ばしい麦芽をそのまま引き継ぎ、ドライさとスパイス感はやや強くなる。ボディは中程度より少し薄く、程なく余韻へと移行する。
余韻:
余韻はやや短め。穏やかなドライさとスパイス感。内陸ピートが少しだけ分かりやすくなる。
ボトル紹介
No.1スコッチに輝いてから25周年を迎えての記念ボトル
いただきものです。
スコットランドでNo.1(当時の売り上げなのかな)に輝いて25周年を迎えた記念ボトルとして、2005年にリリースされたフェイマスグラウスの限定品(リリース年はwhiskybase調べ)。
フェイマス・グラウスがロイヤルワラント(英国王室御用達の証)を授かったのが1984年なので、計算するとその4年前にはNo.1スコッチの座を獲得したということになるということでいいのでしょうか。
フェイマス・グラウスはエドリントン・グループから発売されているブレンデッドモルトウイスキーで、同社傘下のマッカラン、ハイランドパーク、グレンロセス、グレンタレットの4蒸溜所の原酒をキーモルトとしています。ちなみにフェイマス・グラウスのビジターセンターはグレンタレット蒸溜所が兼ねています。
-8℃のスーパーチルフィルタード製法
表ラベルの中心下方にも書かれている-8℃スーパーチルフィルタード製法は、裏ラベルでも「the most advanced new technology」と高らかに謳われています。
詳しいことは知らないのですが、少なくとも当時の最新技術だったということでいいのでしょうか。
香り立ちは穏やかですが香味要素は多い印象で、シェリーカスクを思わせる濃厚な甘さを楽しむことができます。
45%とオフィシャルの加水ボトルとしてはやや高めの度数ながら、味わいから余韻にかけては穏やかにまとめられています。柔らかく丸みのあるボディ、長くない余韻などは、新製法がもたらす影響なのかも知れません。
豊かな香味を持ちながら飲み心地も良く、シェリーカスクの樽感を手軽に楽しむことのできる良いボトルだと思いました。