香り立ちは秀逸だが、やや飲み疲れする。サルファは強く、今は放置が吉か。
PORT CHARLOTTE 2002-2018, 16Y. 64.9% LADY of the GLEN
Hannah Whisky Merchants
ex-oloroso hogshead
cask# 155
243 bottles
評価:★★★
CP:☆☆
価格:★★★
香り:
濃密な香り立ちで、甘い。濃厚なシェリーの甘さとピートが複雑に絡み合う。ベリー、枝付きレーズン、黒土、苺、フルーツを使ったBBQソース、程よいウッディネス。微かにミント。少し硫黄香(サルファリー)。
味わい:
強烈な口当たりで、度数の高さが分かる。ピートの主張は強くなる。次にビターな印象。硫黄香は強い。生木を食んだようなエグミを伴う収斂、燻製ベーコンを思わせるミーティーさに続き、硝煙、火薬、灰。遅れてグレープフルーツ、シンプルな麦芽の甘み、レーズン、黒土、BBQソース。
余韻:
ドライで長い。火薬、灰、炭。ピートとミーティーさを引き継ぎ、アルコールの揮発を伴う。
新興ボトラー強気のリリース
Hannah Whisky Merchantsという新興ボトラーからリリースされたLADY of the GLENシリーズのポートシャーロット。ポートシャーロットはブルックラディ蒸留所のヘビーピーテッドモルトです。
シルクプリントがあしらわれた美しく女性的なボトルデザインがオロロソシェリーホグスヘッド由来の琥珀色に引き立てられ、非常に目を引くボトルです。
2002年蒸留という比較的若いヴィンテージながら3万円オーバーという強気過ぎる価格設定には、正直に言ってしまうと購入するのに割と勇気が要りました。
シェリーカスクの甘さにピートが絡み合う香り立ちは素晴らしいが、口に含むと硫黄、硝煙。
シェリーカスクの濃密な甘さに燻製やBBQを思わせるアイラピートが絡み合う複雑な香りは素晴らしいの一言です。現時点でのこのボトルの長所の全てがここに集約されていると思います。
硫黄香に敏感な飲み手は香りの時点で拾うだろうとは思いますが、それも香り全体の複雑さを削ぐものではないというのが個人的な見解です。
ただし一旦口に含むと、硝煙や火薬を思わせるサルファリーはかなりハッキリとしてきます。麦芽の甘みや柑橘系のフルーツエステルを奥のほうから探すことは出来るとはいえ、苦手な人には厳しいでしょう。
また、サルファリーさに加えて度数も高いため、飲み疲れするボトルなのは否めません。
硫黄香が苦手な場合は、今しばらくは放置推奨。
上記の通り、サルファリー(硫黄香)が気になる場合は放置推奨です。
「サルファリーは経年変化で抜ける」というのは、飲み手の先人からの尊い教えです。そして私が見て体験した限りにおいて、おそらくこれは真実です。
どのくらい待てば抜けるのか?これはどの先人達に伺ってみても「いつになるかは分からないけど、とりあえず抜ける」という返事が返ってくるやつです。
このボトルは前述の通り香り立ちが素晴らしく、ピートもしっかりとしていて、味わいの要素を鑑みてもおそらくポテンシャルは高いと思います。
そんなわけでサルファリーな要素さえ抜ければ大化けする可能性があると考えているため、私はほぼ完全に抜け切るくらいまで、のんびり気長に待とうと思っています。
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