仕上がりは良いが、無個性なのは変わらず。終売品だがあまり騒がれなかった。
Singleton of Glen Ord 18Y. 40%
評価:★★☆〜★★★
CP:☆☆
価格:★
香り:
穏やかで甘い香り立ちが先行する。甘さはやや重たいが、華やかさもある。紅茶、酸化した林檎、カラメル、ザラメ、べっこう飴、煮詰めた麦芽、そこからオレンジ、オレンジピール、シトラスと続く。その後にややクリーミーで溌剌とした麦芽香。熟成感も少し感じられる。遅れて微かにベリーも。非常に微かに発効した藁のような内陸系のピート。それぞれの要素は強くないが、全体としては比較的複雑。
味わい:
滑らかな口当たりで度数相当。ボディは中程度から比較的軽め。ザラメ、煮詰めた麦芽の甘みを香りから引き継ぐ。そこにシナモン添えのバニラアイスクリームの印象。非常に穏やかなウッディネス。
余韻:
余韻は中程度。甘さを引き継ぎ、胡椒を思わせる穏やかなスパイス感。ややドライに終わる。
ひっそりと終売。シングルトン・オブ・グレンオード18年
少し前に12年ものをご紹介したシングルトン・オブ・グレンオードの、こちらは18年ものです。
同じく終売ですが、素晴らしいことに現在でも探せば簡単に見つかるでしょう。つまり、あまり顧みられずに終売となったボトルです。
シングルトンって?みたいなことは、12年の記事のほうを見てもらうととりあえず分かる仕組みになっておりますので、良ければ是非見てみてください(笑)
12年より当然複雑。個性的でないところは変わらず
べっこう飴やザラメを思わせるやや濃密な甘さに、林檎を思わせる甘酸っぱいフルーツエステルが重なり、重さの中にも華やかな要素現れるところはこのボトルの魅力です。穏やかながら熟成感も感じられます。
また、チルフィルターと加水によって雑味もなく、比較的軽めのボディで飲み心地の良いシングルモルトに仕上がっています。味わいとしては欠点が少なく、優等生的なタイプのシングルボトルです。
ただ、12年と同じく特徴には乏しく、飲んだ後の満足感は弱いです。味わいを記憶するのは難しく、全体としては物足りなさを感じてしまうかも知れません。
そんなこんなでかなり悩みましたが、同12年よりはどうしても美味しく同じ評価というのも忍びないと感じたので、★★☆〜★★★としました。
比較対象としては、地味さとしては似た感じのダルウィニー15年43%と比べるとそれぞれの良し悪しが分かりやすいかも知れません。(私個人はダルウィニー15年の評価を高く取っていますが、味わいは好みの問題ですのであまりお気になさらず)
どちらも味わいとしては地味な部類ですが、地味な中にも香味にちょっとした華やかさがあるのはグレンオード18年、複雑さについてもグレンオード18年が僅かに勝るかなという印象です。
対して、地味ながら香味全体のバランスの良さと、飲んでいる最中の飲み心地、飲み終わりの満足感ならダルウィニー15年かなと思いました。
お互い地味ながら、無い部分とある部分とが異なるため、各要素の感じ方を確認する意味で飲み比べてみるのはアリかなと思います。いや、ちょっと地味過ぎるので、無理にやる必要はないかもです。
ただしオード18年は終売品であり、いつまでも市場に残っているわけではないでしょう。気になるなら今のうちに手に入れてみても良いかもです。
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