強めの加水、プレーンな樽感、チルフィルター。結果、クリーンで無個性な仕上がり
SINGLETON OF DUFFTOWN 12Y. 40% OB
評価:★ ★
CP:☆ ☆
価格:☆
香り:
かなり穏やかな香り立ち。穏やかに林檎、プレーンな樽感。
味わい:
優しい口当たり。僅かに乾いた木材の印象。うっすらとクリーミーな麦芽を感じる。
余韻:
余韻は短い。穏やかなドライさと、僅かに洋梨。
シングルトン・オブ・ダフタウンのスタンダード品
ボトルの写真を撮る前にうっかりラベルを剥がしてしまいました。
このボトルは並行輸入で国内に入ってきていたヨーロッパ向けシングルトンで、現在国内で流通しているシングルトン・オブ・ダフタウンの旧ボトルです。
再掲になりますが、「シングルトン」はもともとはオスロスク蒸溜所のシングルモルトを発売する際にオスロスク(Auchroisk)の発音が難しいことから名付けられたブランド名でした。
その後オスロスク蒸留所からシングルトモルトのリリースがほぼ行われなくなった結果ブランド名だけが残り、現在まで続いています。
少し前まではアジア向けに「グレンオード」、ヨーロッパ向けに「ダフタウン」、アメリカ向けに「グレンデュラン」と、地域毎に異なる蒸溜所のシングルモルトが「シングルトン」としてリリースされていましたが、シングルトン・オブ・グレンオードの終売に伴って現在アジア向けのシングルトンはダフタウンに切り替わっています。
ぼんやりとしていて、無個性。
味わいは非常に穏やかで、無個性です。
麦芽の甘さや林檎を思わせるエステル香も僅かにあるものの、かなり平坦に均されています。バランスが取れているといえばそうなのかも知れませんが、物足りなさを覚える人は多いかも知れません。
言ってしまえば、かなりぼんやりとしたシングルモルトです。
こうした味わいを作り出している要因としては、加水が強いこと、樽感が限りなくプレーンなこと、チルフィルター処理(※)を施していることが挙げられると思います。
樽に関しては少なくともセカンドフィル、もしくはサードフィル以降の樽で熟成された原酒が主に使われているのではないかという印象です。
(※チルフィルター:冷却濾過。原酒を冷却することでオリとともに雑味となる成分を除去し、酒質にクリーンさをもたらすが、同時に味わいに深みをもたらす要素も除去される。)
加水、樽、チルフィルのもたらす影響をまとめて知ることができるという意味では教育的なボトルと言えば良いのでしょうか。
もしくは、突き詰めるとブレンド用の原酒はこのくらい無個性であることが求められるものなのかも知れません。
というわけで、本日無事に飲み切りです。
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