ブルイックラディ・ザ・クラシックラディ・スコティッシュバーレイ 50% バッチ18/182 オフィシャルボトル

NASに扮した、ヴィンテージ付き限定スモールバッチのオフィシャルスタンダード

BRUICHLADDICH THE CLASSIC LADDIE 50% OB Batch 18/182


評価:★ ★ ☆ Recommend!

CP:☆ ☆ ☆ ☆

価格:☆


香り:

しっかりとした香り立ち。若さはあるものの、フルーティーで意外と奥行きがある。潮気があり(ノンピートなのは承知しているがこの部分をピート由来だと捉えてしまう)、そこから甘さと若さのある麦芽香、バーボンカスクを思わせる樽由来のオレンジ、バニラ。奥から少しアプリコット、蜂蜜。僅かにベリーや葡萄ジュース。

味わい:

口当たりは度数相当にしっかりとしている。ややドライ。麦芽の甘みと若さが少し強くなる。バーボンカスクを思わせる樽由来の要素も強くなり、乾いた木材の印象と穏やかな収斂、バニラの甘み。そこにほのかなベリー、葡萄といった赤い果実を思わせる甘みも出てくる。

余韻:

麦芽と樽の甘さ、弱いベリー感を引き継ぎ、ジンジャーや胡椒を思わせるドライさがじんわりと長く続く。


閉鎖からの復活を遂げた反骨の蒸溜所、ブルックラディ

設立は1881年。1994年に一度閉鎖が決定しましたが、ウイスキー業界のレジェンド、ジム・マッキュワン氏の尽力により2001年に奇跡の復活操業を果たしたアイラ島の蒸溜所が、ブルックラディです。(マッキュワン氏は2015年に引退し、現在は若きアダム・ハネット氏が蒸留責任者を引き継いでいます)

ブナハーブン蒸溜所ともにアイラモルトとしては例外的にピートを焚かない味わいでも知られていますが、現在はノンピートの「ブルックラディ」に加えて、ピートを40ppmで仕込んだ「ポートシャーロット」、100ppmを超える超絶ヘヴィピートの「オクトモア」という、3種類の異なるシングルモルトを生産しています。どのボトルにもコアなファンがついており、加えて「ボタニスト」というジンの生産も好調なようです。

閉鎖から復活までのドラマチックな記事として、Whisky Magazineのリンクを貼らせていただきます。

蒸溜所の詳細な歴史については、国内外のウイスキー関連ニュースの秀逸なまとめサイトであるWhisky Newsの記事が参考になります。


ブルックラディのオフィシャルスタンダードはただのNASボトルではない

今回のボトルはまさにド現行、ティファニーブルーのボトルがアイコニックなブルックラディ蒸溜所のオフィシャルスタンダード、ブルックラディ・ザ・クラシックラディ・スコティッシュバーレイ(以下クラシックラディ)です。

バッチナンバーこそ付いていますが、一見何の変哲も無いNASボトル(熟成年数表記のないボトル)です。

ですが、もしこのボトルに最低熟成年数を表記するとしたら、7年もしくは8年ということになります。

もう少し詳しく書くと、使われている原酒のヴィンテージは2006年、2008年、2009年、2010年の4つ、このバッチのために使用された樽は計76樽です。

樽の内訳まで書くのであれば、2006年ヴィンテージは2樽で、ともにシェリーバット10年熟成後にバーボンバレル1年追熟です。2008年ヴィンテージ22樽のうち4樽はオーガニック麦芽を使用してバーボンホグスヘッド6年熟成後にシェリーバット3年追熟、6樽はバーボンホグスヘッド4年熟成した後にボルドーワインカスク6年追熟、12樽はファーストフィルバーボンバレルです。2009年ヴィンテージは20樽全てファーストフィルバーボンバレル、2010年ヴィンテージは計32樽全てがオーガニック麦芽で、27樽がファーストフィルバーボンバレル、4樽がイタリアのアマローネワインホグスヘッドのセカンドフィル、1樽がフランスのローヌ地方の白ワインホグスヘッドのセカンドフィルです。


これらの情報は全て公開されています。

一応、調べ方もご紹介します。簡単です(スマホからのやり方になりますが、PCでも基本的に同じはずです)

①まず、ブルックラディ蒸溜所のオフィシャルホームページ(英語)にアクセスします。

②そこからメニューでBRUICHLADDICHに飛びます。

③THE CLASSIC LADDIEの画像をクリックします。

④少し下にスクロールすると「TRANSPARENCY RECIPE CODE」という欄がありますので、お手持ちのクラシックラディのボトル裏面右にある5桁のバッチコードを入力し、「DISPLAY」をクリックします。

すると、そのバッチに使われた全ての樽情報が、赤裸々に出てきます。

バッチコードは画像の赤線部分です。

試しに「18/182」と入力してみて下さい。

先程書いた情報が全て出てくると思います。

オフィシャルにここまでやられてしまうと、モルト愛好家としては胸熱意外の何物でもないですよね。


潮の香りがフルーツ香を引き立てる

このボトルの味わいはNASボトル(?)としては中々に出来が良いと思います。

ピートを焚いていないためアイラモルトとしては異色だということになり、そうした説明もよくされると思うのですが、シングルモルト好きでアイラモルト好きなそこのあなたが、この一言でこのボトルを敬遠してしまうのはあまりにも…あまりにも勿体ないです。

ハイランドモルトともスペイサイドモルトとも異なる、潮気がフルーティーさを引き立たせるような香味構成で、多樽ヴァッテッドの良さが出ています。

潮気が原酒由来なのか熟成環境由来なのかは分かりませんが、このボトルにとっては重要な要素だと思います。これによってフルーティーさがうまく強調されており、説明するなら塩大福の原理というか、塩味があることで甘さが引き立つ例のアレということでたぶんOKです。

欠点がないわけでは勿論なく、麦芽の甘さにはやや若さを伴い、特に抜栓直後はアルコール感を強く感じるかも知れません。しかしバーボンカスク由来のバニラやオレンジを思わせる甘さに、ほんのりと赤い果実(葡萄でいいと思う)が乗ることで、フルーティーさに奥行きのある仕上がりになっていると思います。


詳細な情報を元にしながら飲むのも面白いボトル

5000円以下で購入できることを考えれば個人的に十分オススメ出来、加えて情報の公開っぷりがシングルモルト愛好家の琴線に触れるボトルなので、Recommendを付けさせていただきました。

ボトル情報を見ない状態でテイスティングし、公開情報を読んで再度テイスティングし、味わいの感じ方の違いや、感じた香味への言葉の当て方の参考にするのも面白いのではないかと思います。(今回のテイスティングノートはそうやって書きました)

おそらくバッチ毎に味わいは変わるでしょう。これはシングルカスクではないシングルモルトの特性として当然のことなのですが、それをここまで明確に示した蒸溜所の姿勢は高く評価できると思っています。

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