話題となったボトル。将来の名品となるか。
LAPHROAIG 2001-2018, 17Y. 55.7% Signatory Vintage
for The Whisky Hoop, Japan.
cask#318, Refill Sherry Butt.
評価:★ ★ ★ ☆
CP:☆ ☆
価格:★ ★ ★ ★
香り:
力強く、しっかりとした香り立ちで、シェリー香とアイラピートが複雑に折り重なる。海藻のニュアンスとともに僅かな金属感とBBQソースの甘さを伴うヨードピート。すぐ後から、レザー、凝縮感のあるレーズン、フレッシュな巨峰、僅かに黒土といった印象のあるシェリー香。バルサミコソースのような複雑な甘酸っぱさも現れる。少し置くとアプリコット、マスカット、巨峰を思わせるフルーツエステル香。その後に甘い麦芽香。
味わい:
口当たりは力強く度数相当。ボディは厚い。シェリーカスク由来の香りの要素を引き継ぎ、レーズン、黒土、レザー。収斂は心地よい。ピートの主張もやや強くなり、金属、ヨード、燻製ベーコン。様々なスパイス。
余韻:
アイラピートは持続し、シェリー由来の甘さ、ミント、レザー感、甘口BBQソース、バルサミコソースなどを引き継ぐ。ややナッティな印象が現れる。余韻は長く、スパイシーでドライ。収斂が少し強くなる。
TWHオリジナルラベル、2001ラフロイグ17年
シグナトリーから日本の会員制ボトラーThe Whisky Hoop(TWH)向けにボトリングされた2001年蒸留のラフロイグ。TWHからは2018年7月にリリースされました。
リフィルシェリーバット熟成の17年もので、ラベルは和紙を使用したTWHオリジナルです。このデザインのボトルとしては3本目に当たります。
リリース直後から話題となり、既に多くの飲み手から高い評価を得ているボトルで、現在はTWH会員向け、一般販売向け共に完売しています。
ピート、シェリー、フルーツ、麦芽。多彩で複雑。
アイラモルトとして香味の多彩さと複雑さには文句の付けようがありません。近年ボトリングのラフロイグの中でも頭一つ抜けたボトルだと思います。
アイラピートの主張、年数以上の熟成感と甘さのある麦芽香、綺麗で奥深いシェリー香、奥から上がってくるジューシーなフルーツ香と、これらの要素が1つのボトルで揃うことはなかなかなく、これだけでも特筆に値すると思います。ボディも厚く、飲み応えも十分です。
味わいの後半から余韻にかけてドライさと収斂が強くなり、人によっては香味要素が少し分離しているように感じられるかも知れません。しかし気になるレベルではなく、Recommendを付けていない理由は価格が高いという一点に尽きます。
将来の名品となるか
このボトルについては、何年後かにピートが更に溶け込み、香味の要素が馴染んできたとしたら、おそらく名品として語り継がれるボトルになるのではないかという見込みが、何名かの飲み手によって立てられています。
そのため、おそらくこのボトルの一部は各店や個人によって大切に保管され、5年後、10年後、20年後にあらためて抜栓されることになるでしょう。
高額にも関わらず完売となった背景には、ボトルそのものの出来の良さに加えて、そうした見込み買いがあったことも理由の一つだったと思っています。
年数を経た姿を想像しつつ今の姿を知る意味でも、一度は飲んでみてほしいボトルです。
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