もっさりとした重たい麦芽香の中から、フルーツミックスの缶詰めのような甘さが立ち昇る。
FETTERCAIRN 1988-2017, 28Y. 51.4% TWA+SHINANOYA “Nagomi”
twitter.com/drinkerslounge/status/1023923960323297280
評価:★ ★ ★ ☆
CP:☆ ☆
価格:★ ★ ★
ドイツの信頼の置けるボトラーThe Whisky Agencyと、日本のウイスキー業界を最前線で引っ張る酒販店兼ボトラーの信濃屋のジョイントとして展開されている「和み(NAGOMI)」シリーズの最新作、1988年蒸留のフェッターケアン28年です。
ボトリングは2017年ですが、発売は2018年なので、一年寝かせたんですね。
プライベートボトルとしてではありませんが、信濃屋酒販は2013年頃にモリソン&マッカイ社のセレブレーションオブザカスクシリーズの中で日本への割り当て予定のなかった1989年蒸留のフェッターケアン23年の現地在庫を全て引き取り、日本で販売したことがあります(既に完売。当時の商品紹介のリンクはこちら)。
このボトルはフェッターケアンの個性を残しつつもエステリーに触れた美味しいボトルでした。当ブログでも以前に記事を書いています。記事はこちら。
また、参考になる記事として「ストイックなドリンカーの日々」でもテイスティングノートが書かれています。リンクはこちら。
驚くほどエステリーに振れたフェッターケアン
今回発売された「和み」シリーズのフェッターケアンは、上記のボトルよりも更にエステリーかつフルーティーに振れたタイプのボトルだと思います。
ナッツの油分やバターを思わせるようなオイリーなニュアンスを伴うもっさりとした麦芽感は香りから一貫して感じられますが、これは近年のフェッターケアンという原酒に共通した個性だと思っています。
このボトルの特徴は、それに加えてうっすらとした桃のような香味すら伴う、非常にフルーティーで華やかな個性を併せ持っているところで、フェッターケアンとしても興味深く、また美味しいボトルだと思います。
フェッターケアンの持つ、華やかさとは少し趣の異なるどっしりとした麦芽の個性は、もしかしたら人を選ぶ部分かも知れないと思います。
ですが、このボトルの仕上がりは上々以上で、非常に特別感のあるボトルだと思います。高額なので積極的にオススメしづらいところだけが難点ですが。
時間をかけて飲む価値のある非常に美味しいボトルだと思いますし、シングルモルトの味わいの幅広さを感じたいと思っていたり、新しい嗜好を探している場合は特に一度は試してほしいボトルかと思います。
コメント