安い酒だと侮ることなかれ。
評価:★ ★ ☆ Recommend!
CP:☆ ☆ ☆ ☆ ☆
価格:☆
香り:
強くはないが割としっかりとした香り立ちで、甘く、モルティ。ザラメ糖、バニラ、カラメル、シナモン、穏やかに林檎のコンポートとアップルパイ。奥から穏やかなウッディネスと、穏やかな内陸系のスモーキーピート。僅かに干し草。
味わい:
滑らかな口当たり。ボディは軽く、香ばしい穀物感、黒蜜。ウッディネスが香りで感じられるよりも少し強くなる。
余韻:
味わいからそのまま移行し、麦芽や穀物の甘み。木材の収斂。熟する前のバナナ。
ジョニーウォーカーは創業1820年のブレンデッドウイスキー老舗中の老舗。同じくブレンデッドのバランタインと並ぶ歴史あるブランドであると同時に、スコッチウイスキーとしては販売数量世界一を誇るブランドでもあります。ウイスキーの販売量としては、シングルモルトウイスキーとブレンデッドウイスキーには天と地ほどの差があります。
「キーモルトはカーデュ、タリスカー、ラガヴーリン。モルト、グレーン合わせて40種類以上の原酒を使用している」という宣伝文句は割と古い話のようです。現在ではカーデュをキーモルトとしたモルト原酒29種類に、何種類かのグレーンウイスキーを加えて作られているようで、使用されている原酒の総数は分かりません。
そういうわけで現行のジョニ黒には何一つ期待していなかった状態で飲んでみると、その完成度の高さに驚かされるのではないかと思います。飲み口こそライトですが、香りは多彩で嫌味な要素がなく、味わいにも一体感があり、この価格で売られていることが信じられないくらい、非常に洗練されたブレンデッドウイスキーだと思います。
オールドボトルと現行ボトル
モルトマニアや歴の長いドリンカー間では、70年代や80年代に流通したオールドボトルのジョニ黒への評価はだいたい確定しています。ざっくり言うと、オールドボトルは状態さえ良ければ、現行ボトルに比べて香味が更に多彩で奥行きがあり、ボディもやや厚めということになります。これは私自身も否定はしませんが、現行ボトルのライトですが雑味のない飲み口と香味は、十分に長所と捉えることが出来る要素だと、今回認識を新たにしました。
オールドボトルの宿命であるボトル間の状態差も考慮に入れるならば、個人的には当たり外れの差が大きいオールドボトルは敢えて狙わなくても、品質の安定した現行ボトルで十分に楽しめそうです。現行、美味しいです。
日比谷でジョニ黒Day!5/20まで。
[…] 3000円以下で購入できますが、ブレンデッド ではジョニーウォーカーブラック、シングルモルトではグレンモーレンジ10年、アラン10年、タリスカー10年など、それぞれ味わいに違いはありますが、だからこそ同価格帯ではライバルは多いです。しかし、スコッチ以外、ジャパニーズ以外のブレンデッドだからといって舐めるわけにはいかないレベルのブレンデッドウイスキーだと思います。 […]