経年で丸みを帯びた感のあるクリーミーさ。スターターとしても良い。
LOCH NESS Single Highland Malt 40%
評価:★ ★ ☆ Recommend!
CP:☆ ☆ ☆ ☆
価格:☆
香り:
穏やかな香り立ち。クリーミーで、麦芽の甘み、オレンジ、オレンジクリーム。構成自体はシンプル。
味わい:
度数相当の優しい口当たり。クリーミーな麦芽の甘みが前に出る。若干スピリティ。味わいの印象は香りから変わらず、麦芽の甘み、オレンジ、オレンジクリーム。経年変化で角が取れている印象。
余韻:
麦芽の甘さを引き継ぎながら、穏やかなスパイス。
正体不明の怪獣ネッシーにあやかった、蒸溜所非公開のハイランドシングルモルトです。熟成年数の表記はありません。
ロッホネスというのは、ネッシーで有名な「ネス湖」のことですね。
Loch Ness Whisky. Coという会社から発売されていますが、どうやらダンカンテイラー系列の会社のようです。このボトルは初期ボトルで、他にトール瓶のシングルモルト(NAS)とブレンデッドウイスキー(5年)も発売されています。残念ながらどのボトルも正確な発売時期は分かりませんでした。
当時の輸入元は横浜にあった株式会社オセルという会社ですが、残念ながら裏ラベル記載の住所には、既に同名の会社はありません。
飲んでみると意外と美味しいシングルモルトです。
96ベンネヴィスにあるようなクリーミーな麦芽感とオレンジを思わせる香味が主体で、加水なこともあってかストレスなく飲み進めることが出来ます。
僅かにスピリティな印象がありますが、これはボトリング当時の若い原酒が経年で丸くなった名残りだろうと考えています。
総括すると、経年でそろそろ飲み頃を迎えつつある印象の、良いスターターモルトだと思います。
一応オールドボトルに該当すると思いますが、海外でもまだ当時の在庫が安値(だいたい30ポンド以下です)で売られているのを見つけることが出来ます。顧みられることのないまま今に至っているボトルなのでしょう。
さて、非公開となっている蒸溜所ですが、ラベルの文句に従うと” just a few miles, as the eagle flies, from the shores of loch ness “、つまり、鷲ならひとっ飛び、ネス湖のほとりからほんの数マイルの距離にあるそうです。
この情報を元に、いくつか候補となり得る蒸溜所の名前を挙げてみましょう。
まず、かつて仕込み水の水源としてネス湖を利用していた蒸溜所にグレンアルビンとグレンモールがあります。どちらも80年代に閉鎖し、今はこの世に存在しません。
このほか、水源はネス湖とは別であるものの、ネス湖には割と近く現在も稼働している蒸溜所に、グレンオード、ベンネヴィス、トマーティンがあります。
一体どこなんでしょうね?飲みながら原酒当てをしてみるのも楽しいんじゃないかと思います。
私は、ベンネヴィスに一票です。