バランスは取れているが、記憶には残りづらい。スターターには向く。
DUFFTOWN-GLENLIVET Pure Malt Scotch Whisky 12Y. 75°PROOF(43%), duty free for exportation only.
評価:★ ★ ☆
CP:NR
価格:NR
香り:穏やかな香り立ち。程よいオールド感だが、若干のヒネ香はある。麦芽の香り、レモングラスの清涼感、ザラメ糖の甘さ。
味わい:口当たりは優しいが、ボディは思いの外しっかりとしている。麦芽の甘みにトーストしたパンのような香ばしさが加わり、甘み自体も強くなる。僅かにオイリー。
余韻:麦芽の甘さと香ばしさを引き継ぐ。アクセントになる程度の程よいスパイシーさが現れて徐々にドライに。
ダフタウンの免税向けボトル12年(ダフタウン-グレンリベット表記)。
外箱にもラベルにも、ブレンデッド・ウイスキー『BELL(ベル)』の構成原酒として使用されていることを謳う「FROM HOUSE OF BELL’S」という記載があります。
こうした宣伝文句は、シングルモルト・ウイスキーよりもブレンデッド・ウイスキーの知名度が高かった時代にあって、マイナーな蒸溜所が原酒の品質を保証するための、ある種の販売戦略という意味合いがあったようです。『あのベルに使われている、間違いのないウイスキーですよ!』というわけですね。
ウイスキーマガジンonline版で書かれた【20世紀のスコッチ広告】という連載記事が秀逸で、俯瞰的な理解に適しています。ちなみに、今もダフタウン蒸溜所の原酒は99%近くがブレンデッドウイスキーのために使用されています。
このボトルですが、味わいとしては穏やかな麦芽香が主体の、バランスタイプのウイスキーです。香味の複雑さはそれほどでもない印象で、どっしりとしているというよりは軽い印象があり、全体としてはこじんまりとしています。
こうしたクセのない香味はブレンデッドウイスキーの原酒として使いやすいのでしょう。
そのまま飲んでも割と美味しいのですが、記憶には残りづらいかも知れません。ただ、最初の一杯としては最適だと思います。
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