グレンモーレンジ 10年 43% アメリカ向け輸出品(80年代後半〜90年代前半流通)

現行にはない、オールドボトルの魅力に溢れていて、惹きつけられる。

GLENMORANGIE 10 YEARS OLD 86°PROOF 750ml

評価:★ ★ ★ ☆ Recommend!

CP:NR

価格:NR

香り:華やかで、しっかりとした香り立ち。ジューシーなオレンジ、バニラ。時間が経つにつれて香り立ちは徐々に弱くなっていくが、オレンジの甘さは持続し、遅れて林檎や洋梨のすっとした酸味、しっとりとした麦芽香が現れる。

味わい:しっかりとした口当たりで、度数よりも力強く感じられる。麦芽の甘さが下支えにあってこそだと思われる。バニラと、オレンジを思わせる濃厚な柑橘と麦芽の甘さが口の中に広がる。ボディは厚めで、噛み応えがあり、後からじわじわと穏やかなウッディネスとスパイシーさが現れる。

余韻:穏やかなスパイシーさを味わいから引き継ぐ。その後、オレンジと麦芽の甘さに樽由来の弱い収斂が加わって、オレンジマーマレードのようなほろ苦さとなって長く続き、最後にほんのりとミントが残る。


グレンモーレンジ10年、1980年代後半から1990年代前半流通と思われる米国周りのボトルです。グレンモーレンジのオールドボトルということになります。

長い間独立資本として経営されてきたグレンモーレンジ蒸溜所でしたが、フランスのルイヴィトン・モエ・ヘネシー社(LVMH)によって同年に買収が決定したことは当時の業界内では大きなニュースになったようです。日本ではLVMHと英国のディアジオ社(Diageo)の合弁会社であるモエ・ヘネシー・ディアジオ社(MHD)が販売を担うことになりました。現在流通している、グレンモーレンジ・オリジナルをはじめとした曲線的なデザインのボトルへと切り替わっていったのはその後になります。今回のボトルはグレンモーレンジ蒸溜所が独立資本だった時代のボトルで、ラベル表記から米国、ニューヨーク周りで流通していたボトルだということが分かります。

一通りテイスティングした後、あらためて口に含んで、うわー…うめーこれ…しみじみ美味いの極致だなー…となってしまいました。現行のオリジナルにもある華やかさに加え、優しい口当たりとしっかりとしたボディ、余韻にまで続くバランスのとれた香味が非常に秀逸です。違いを生む要因は時間経過による状態差も含めて一つではないと思いますが、度数の違い(現行は40%、こちらは43%)は大きいのかも知れません。

私は主に現行ボトルを飲むタイプの飲み手ですが、こうしたボトルを飲んでしまうとオールドボトルの持つ魅力にあらためて気付かされる思いがします。とても滋味深く、魅力的なボトルだと思いました。

付属の冊子。シングルモルトとは何かから始まり、グレンモーレンジの歴史が記念碑的に記されています。

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