バーボン樽熟成の素直な香味。飲み応えのある90年代ロングモーン。
LONGMORN 1992?-2016 24Y. 52.6% The Scotch Malt Whisky Society 7.159 “From tree to Tarte Tatin” THE TASTING PANEL’S CHOICE 2016 JAPAN EDITION
評価:★ ★ ★ Recommend!
CP:☆ ☆ ☆
価格:¥ ¥
香り:
しっかりとした香り立ち。林檎の香りが主体だが多彩。熟した林檎、温めた林檎、バニラビーンズ入りのカスタードクリーム、アップルパイ、シナモン、クローブ、洋梨、僅かに砂糖漬けのチェリーも。他にも、林檎から作られる様々なデザートや飲み物(林檎のコンポート、シードル、カルバドスなど)が連想される。時間経過で麦芽の甘さも開いてくる。しっかりとしたウッディネス。
味わい:
度数と強めの樽感によるしっかりとした口当たり。ウッディネスが強めで、ボディは重い。スパイシーでクリーミー。ややオイリーか。胡椒、生姜、麦芽の甘み、バニラ。
余韻:
味わいからそのまま移行する。ウッディな甘さとスパイスを引き継ぎながら、じんわりと長く伸びる。ほろ苦さと僅かなスパイスが残る。
SMWSは2017年4月をもって輸入元がウィスクイーからThe Scotch Malt Whisky Society Japan株式会社へ変更となり、それと前後してボトルのラベルデザインも新しいものに切り替わりつつあります。
『テイスティングパネルズチョイス2016』の一つとしてリリースされたこのボトルは、おそらく以前の輸入元であるウィスクイーがボトリングしたものではないかと推察しています。
味わいは、原酒の持つ重めの酒質に林檎や洋梨を思わせるリッチなフルーツと、スパイス、バニラといった典型的なバーボンカスク由来の香味が素直に乗っているタイプで、奇をてらわず、力強い味わいが個人的に好印象です。
雑味らしい雑味も感じられず、レベルの高いボトルだと思います。
ロングモーンはマッカランと似て、短熟よりも長熟向きの原酒だと認識していたのですが、今回のボトルは原酒の若いニュアンスが消えて熟成感を纏うまでの間に見られる溌剌とした麦芽の甘さに加え、程よい熟成感もきちんと感じられ、絶妙なタイミングでボトリングされている印象を受けました。
ホグスヘッド熟成にしては樽感がやや強く、特に口に含んだ後から余韻にかけては香りにある多彩で華やかな林檎主体のフルーティーさよりウッディネスが主体となりますが、飲み応えやボディに対してはこの樽感がプラスに作用していると思います。フルーティーさが樽感によってやや潰されていると取るか、フルーティーさからバトンを渡されたウッディネスが飲み応えを演出していると取るか、この辺りは好みの問題だと思います。
最後に余計なことをつらつらと書いてしまいましたが、このくらいのことしか問題にならないくらいレベルが高く美味しいボトルです。今後の変化も十分に期待でき、じっくりとお付き合い出来ると思います。
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