スプリングバンク 21年 46% 2017年リリース

開けたてで既に欠点らしい欠点がない。フルーティーでソルティー。加水のせいか何杯も飲めてしまう危険な美味しさ。


Springbank 21Y. 46% 2017 Release


評価:★★★☆-★★★★ Recomend!

CP:☆☆☆

価格:¥¥


香り

しっかりとした香り立ち。最初は塩気(ブリニーさ)。これは開けたてだからだと思う。そこに熟成感のあるこなれた麦芽香が重なる。僅かにミンティーで、僅かにオイリーなニュアンス。そこから静置しておくと(スワリングしないほうがよい)、ゆっくりとパイナップルとストロベリーの甘酸っぱさが出てきて更に複雑に。フルーツ香と麦芽香がグラスの中で入れ替わり立ち替わりする。マスカット、林檎、洋梨、杏子も。樽感は穏やかで、優しいウッディネス。

味わい

口当たりは優しく雑味なく、引っ掛かりもないが、味わいはしっかりとしている。こなれた濃い麦芽の味わいが先ず感じられ、その奥からブリニーさと、徐々にストロベリーやカゴに入った山盛りのフルーツの甘さが開いてくる。

余韻

口当たりを引き継ぐ。麦芽の旨味とストロベリーの甘酸っぱさは最後まで持続する。胡椒のようなマスタードのような複雑なスパイス感が微かに現れ、長い余韻の締めとなる。


スコットランドのキャンベルタウン地区にあるスプリングバンク蒸溜所は、2013年に21年熟成のボトルを復活販売し、以後年に一回、毎年欠かすことなくボトリングしています。

昨年は国毎に異なるシングルカスクでボトリングされ、コレクター泣かせだったスプリングバンク21年でしたが、今年は以前のスタイルに戻り、ヴァッティングの46%加水でボトリングされました。


今回テイスティングしたのは2017年に発売された最新ボトルです。

逆算すると蒸留年は1995もしくは1996年以前の原酒が使われていることになり、今まで飲んだスプリングバンクのこれらのヴィンテージに良いボトルが多かったため購入してみました。


テイスティングノートは開けたての状態からつらつらと書き始めましたが、徐々に開いていくに従って行数が増えて行きました。

開けたての段階で既に欠点らしい欠点がなく、グラスに注いでからしばらく置くと往年の(オールドボトルっぽいという意味です)スプリングバンクに感じられるような綺麗なストロベリー感が現れてきます。非常に美味しいボトルだと思います。


個人的な感想としては、この美味しさは元のヴィンテージから予想されたものをそのままなぞってくれた形となり、おかげで自分の中で1995、1996年ヴィンテージがスプリングバンクの優良ヴィンテージだという確信が持てました。

加水だったためか抜栓してからの開きも早く、今すぐ飲んでも充分に楽しめるところが大変好印象です。


スプリングバンクは新ラベルの10年も非常に出来が良く、1990年代に限らず2000年代にかけても原酒の質がきちんと向上しているように感じていて、今後も楽しみな蒸溜所です。

来年の21年も楽しみにしつつ、今年一年、このボトルをじっくりと楽しみたいと思います。

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