1996年蒸留のベンネヴィスの中でも特に素晴らしい1本。初期の名作に相当するだろう。
BEN NEVIS 1996-2015 18Y. 52.7% TWA + NECTAR “CIRCUS”
評価:★ ★ ★ ☆ Recomend!
CP:☆ ☆ ☆ ☆
価格:★ ☆
香り:
しっかりとした香り立ち。華やかで多彩なフルーツ香が立ち昇る。蜜柑やマンダリンオレンジを思わせる柑橘香と甘い麦芽香。奥からオレンジマーマレード。遅れて林檎、洋梨。ほんのりとパイナップル。遅れて微かにミントと穏やかなウッディネス。
味わい:
度数を感じさせない滑らかな口当たり。熟成年数以上に旨味のある麦芽感と、マーマレードの心地よい甘さと苦さが口の中に広がり、僅かにオレンジオイルのようなニュアンスが強くなる。そこからじわじわと樽由来の甘いバニラとウッディネスが現れてくる。
余韻:
口当たりからシームレスに移行する。しっとりとしていてドライではない。麦芽感とオレンジとウッディネス、ほんのりとバニラを引き継ぐ。
ドイツで行われているリンブルグウイスキーフェアというウイスキーの祭典で2015年に先行発売されたTWAのサーカス・シリーズ。今回のシリーズはベルギーのボトラーであるNECTARとのジョイントボトルでもあり、その中の一つがこのベンネヴィスです。リフィルホグスヘッド熟成でボトリング本数は276本、日本にもしばらく経ってから極少量が輸入されましたが、私は当時海外から直接引っ張って購入しました。
このボトルは入手後すぐに抜栓して持ち寄り会に持参し、何人かに飲んでもらったのですが、飲んだ人全員から上々の評価をもらったボトルだったことを覚えています。今回はGW前に久し振りに抜栓、あらためてテイスティングしました。やっぱり美味しいですね。
1996年蒸留のベンネヴィスの持つクリーミーな麦芽感と蜜柑やマンダリンオレンジを思わせる柑橘香が基本にありつつ、このボトルに関して言えば雑味の少なさと存分に華やかな方向に触れた香味が特筆すべきで、少々あざとい感じがしてしまうほどです。1996年蒸留のベンネヴィスはここ数年でボトラー各社が何本もリリースしている人気ヴィンテージですが、その中でも頭一つ抜けた味わいだと思います。どんどん飲めてしまい、気付けばなくなっている危険なタイプでもあります。
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