グレンアルビン 1977-1998 20Y. 43% Signatory Vintage

甘さと熟成感のある麦芽香と、加水によるプレーンな樽感。閉鎖蒸溜所だからといって身構えずに飲んだほうが楽しめそう。


Glen Albyn 1977-1998 20Y. 43% Signatory Vintage

評価:割と美味しい( ★ ★ ☆ )

CP:NR

価格:NR

 

香り:穏やかな香り立ちだが割と複雑。甘さがあり、古酒感と熟成感のある麦芽香。お湯で溶いた蜂蜜。続いて洋梨、少しだけ杏子、奥からほんのりと根菜。

味わい:優しい口当たりで、ボディは軽い。少しのオイリーさと穏やかな収斂、麦芽の甘味を感じたかと思うと、もう余韻になる。

余韻:口当たりからあっという間に移行する。飲み込むと麦芽の旨味が一気に返ってきて心地良い。続けて少し苦味を伴いながら胡椒や、僅かに唐辛子を思わせるスパイス感。樽由来の穏やかな収斂と少しのオイリーさがうっすらと伸びる。

 

グレンアルビン蒸溜所は北ハイランドのインバネス近郊にあった蒸溜所で、1983年に隣接する姉妹蒸溜所のグレンモールとともに閉鎖、現在は跡地が巨大なショッピングセンターとなっています。つまり操業停止どころか、もはや痕跡すら存在しない完全な閉鎖蒸溜所のうちの一つです。

このボトルはボトラーズのシグナトリー社から90年代に発売されたシングルカスクの加水ボトルで、現行の「Barrel Selection」に相当するシリーズの旧ボトルです。香りは全体的に穏やかながら熟成感のある麦芽香が心地良く、これは現在の同シリーズでも見られる優れた特徴です。43%加水のため流石にボディは軽いですが、雑味の少ない香味構成はシグナトリー社が昔からエントリーシリーズにもきちんと力を入れていることの証だと思います。経年変化で適度な古酒感も出てきており、それが香味の複雑さにも寄与しているため、もしかしたら今飲んだほうが当時より美味しいのかも知れません。当時の味わいを知らないので本当のところは分かりませんが。

今となっては珍しいボトルなのかも知れませんが、味わいそのものは肩肘張らずに普段使いで飲むのに最適なボトルです。

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