桃や杏子、今までラフロイグにあまり感じなかったフルーツ香が香る。
評価:美味しく、興味深い。( ★ ★ ★ )
CP:NR
価格:NR
香り:穏やかな香り立ち。杏子、ライチ、桃の天然水のような甘い香り。雨の降った後の土の香りと優しいヨードを感じさせるピート香、僅かなヒネ香、遅れてオールドボトル特有の角の丸い麦芽香。
味わい:優しい口当たり。経年によりややアルコール度数が低下した印象。樽感はかなりナチュラル。穏やかなヨードの奥から麦芽の甘みが優しく広がる。
余韻:口当たりを引き継ぐ。桃とピート、麦芽が細く続く。
おそらく1970年代に蒸留されたと思われる米国向けのラフロイグ。通称PRIME MALTと呼ばれるこれら一連のラフロイグは出自に不明な点が非常に多く、参考にしたlaphroaigcollector.comでは”SELECTION No.1″と記載されてるボトルとしてグリーンボトルの12年(蒸溜所表記なし)、クリアボトルの12年(蒸溜所表記あり)、グリーンボトルの15年(蒸溜所表記なし)の3種類が掲載されています。蒸溜所表記なしのボトルには代わりに”finest islay single whisky”という、やや不思議な表記がされています。
今回のグリーンボトル12年にはラベルに蒸溜所の表記があり、サイト掲載ボトルとは異なったボトルということになります。度数は91.7 proof(米国プルーフ表記なので45.7%)という点は共通しています。ちなみに調べてもらった結果、SLECTION No.21というボトルの写真を見つけていただきました。もはや記事にしようと少し調べたくらいでは謎が深まるだけという何ともディープなボトルです。
僅かにヒネのあるオールド香、経年で度数が低下したと思わせる口当たりこそあるものの、ボトルの状態が比較的保たれていたことはほとんど奇跡に近いと思われます。フルーツ香の出方が自分の知っているラフロイグと比べて特殊で、ライチや杏子、桃の天然水を思わせる甘い香りが穏やかに出てきます。経年によるものなのか酒質によるものなのかの判断は付きかねますが、面白い体験でした。今後の瓶内変化を確認するため、年明けに再び飲んでみたいと思っています。残っていればですが。
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