太く主張のある麦芽香と苺の酸味、塩気を伴うピート。クラシカルで美味しいスプリングバンク。
評価:美味しい( ★ ★ ★ )
CP:割と良い( ☆ ☆ ☆ )
価格:¥ ¥(参考価格。オークション)
香り:やや穏やかな香り立ち。磯っぽい潮気を穏やかに伴いながら、太い麦芽香が主張する。その後ろから熟した林檎、洋梨、苺の酸味。やや腐葉土のような印象のあるピート感。
味わい:滑らかな口当たり。潮気。苺の酸味。太い麦芽の甘さ。
余韻:麦芽の甘い余韻が続く。凝縮感のあるフルーツが現れ、最後はほんのりスパイシーでドライ。キレがある。
1970年代後半から1989年までに流通していたと考えられる陶器ジャグのスプリングバンク。同時期に黒い陶器ジャグの18年もリリースされていますが、こちらの赤茶色ジャグは年数表記のないボトルで、18年とは別物です。
抜栓仕立てはコルクの香りが付いてしまっており、それによって他の香味が覆われてしまっていましたが、約半年放置してみた結果、コルクの香りはほぼ気にならないレベルまで落ち着きました。本来のポテンシャルを発揮してくれてとても美味しくなりました。本当に良かったです。
太い麦芽香と苺の酸味、潮気を伴うピート感を持つクラシカルなスプリングバンクだと思います。ピートにやや腐葉土のようなニュアンスを伴うのも一つの特徴だと思います。熟成感のあるフルーツ香よりも主張のある麦芽香を楽しむタイプです。黒陶器の18年はもう少しフルーツ香に熟成感があり、個人的にはそちらのほうが好みではありますが、このボトルも十分に美味しいボトルで、スプリングバンクの味わいのベンチマークの一つになるのではないかと思います。
陶器ボトルはコルク臭が付くことはあるものの、遮光性の高さからヒネ香のあるボトルが少ない(というかほぼない)ところが良いところです。ただ、内容量の揮発はやや多い印象があります。
現在こうしたボトルは、主にオークションで手に入れています。