バーボンバレル熟成のお手本のようなバランス。
評価:美味しい。(★★★)
香り:華やか。しっかりとしていて甘い。バニラ、林檎と洋梨、オレンジ、パイナップル、キャンディー。続いてオークの木香。穏やかな麦芽香。
味わい:香りの要素を引き継ぐ。甘味の奥からやや収斂味のあるウッディネスが現れる。
余韻:アルコール度数からのスパイシーさ。キャンディーの甘さと収斂味のあるウッディネスが持続する。オレンジ、パイナップル入りヨーグルト。
イタリアのボトラー、ベイジャ・フローのアラン。同時期にシェリーカスクとバーボンカスクの2種類が発売され、これはバーボンバレルで熟成されたシングルカスクです。
バーボンバレルでの熟成で出てほしい華やかで多彩なエステル香をしっかりと感じさせる仕上がりで、全体的にリッチな香味を持ちながらもやり過ぎ感がありません。樽からの雑味も少なく、香味の華やかさとそれらのバランスの取り方には特に見るべきものがある、とても美味しいアランだと思います。そもそもの樽が良かったのか熟成度合を見極めが良かったのか、何はともあれ樽選定者の高い審美眼を伺わせるボトルだとも言えると思います。
フルーティーさが濃厚なので、これだけずっと飲んでいると飲み疲れしそうに思えますが、飲むほどに出てくる香味が入れ替わり、思ったよりも何杯も飲めてしまうボトルです。
ベイジャ・フローのアランは、昨年に有楽町のキャンベルタウンロッホさんで初めて飲んでシェリーカスク共々気に入り、色々探し回ってスペインの酒屋さんのサイトから手に入れたという、個人的には割と思い入れのあるボトルです。しばらくして一部日本の酒屋さんが少量輸入されたようで、僅かな本数ではありますが国内でも流通しました。やや高値でしたが。
僕は当時(といっても昨年です)シェリーカスクのボトルもバーボンカスクのボトルも複数本ずつ購入したのですが、今回これを開けたことで未開栓ボトルは1本ずつを残すのみになってしまいました。なので次回の抜栓はしばらく先になりそうですが、アラン蒸溜所からは今後もますます良いボトルが輩出されそうな予感がして、今からそれが楽しみでなりません。