ジャパニーズ特有、樽由来の濃密なエステル香。
評価:★ ★ ★
CP:☆ ☆ ☆
価格:¥ ¥
香り:力強い香り立ち。厚みのあるエステル香、僅かに溶剤様、バニラ、アプリコット、甘みの強いオレンジマーマレード、分厚いウッディネス。強く吸い込まないほうが多彩な香りが拾える。マヌカハニー、林檎と洋梨のコンポート。奥からほんのりと甘い麦芽感。
味わい:力強い口当たり。バーボンウイスキーのような樽感の効いたアタック。バニラ、少し溶剤系のエステル香を伴うパワフルなウッディネス、バニラアイスクリームと蜂蜜。
余韻:余韻は長い。ウッディネスはここまで持続する。花の蜜のような甘さと木香、度数由来の清涼感とスパイシーさ。
今となっては結構レアかも知れません。マルス蒸溜所からたしか2012年にリリースされた駒ケ岳24年バーボンバレル、120本限定です。この年に本坊酒造マルス蒸溜所はマルスモルテージ3+25でWorld Whisky Award(WWA)ゴールドメダルを受賞し、サントリーとニッカの独占状態だったWWAジャパニーズウイスキー部門において同蒸溜所史上初の快挙を成し遂げ、一躍スターダムに躍り出ました。この24年は、同時発売の22年と共に同年のウイスキーライブで初お披露目されたボトルで、現行のマルス蒸溜所のボトルの形になったのはこれらのボトルが最初です。
ノージングの段階ではっきりと分かるバーボンバレル感。ボトリング本数云々とかではなく、この樽香は容積が小さい故に原酒と樽材との接地面積が大きいバーボンバレル(200L前後)で熟成されたものだと直感出来る強烈さで、それより大きいバーボンホグスヘッド(250L前後)ではここまで強烈なエステル香はなかなか付かないだろうと思います。ややもすると溶剤を連想させる強烈で厚みのあるエステル香の奥からは、オレンジや林檎、蜂蜜、バニラなどの様々香りが上ってきます。
同じバーボンバレルで熟成させた原酒でもスコッチのシングルモルトでは、エステル香にこうした厚みが出ることは少ない印象があり、スコットランドと比べると気温の高い日本での熟成だからこその、言うなればジャパニーズ特有の厚みのようなものを身に纏ったシングルモルトだと思います。
ボトリング本数も少ないためどこでも手軽に飲めるかと言われると素直に頷けないところはありますが、バーボニアンにもオススメのシングルモルトウイスキーではないかと思います。
このボトルはエステル香の厚みを肯定的に捉えるかそうでないかで評価の分かれるボトルではないかなと思いました。ヘヴィで飲み疲れするタイプではありますが、私は割と好きです。
そんな訳で、本日無事に飲み切り終了と相成りました。ご馳走様です。
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