間違いなく60年代のボウモアがそこにいる。
香り:トロピカルフルーツ、桃、マンゴー、嫌味のない樽香、ライトピート。多層感がある。いつまでも嗅いでいたくなる。まごう事なく60年代のボウモアがそこにいる。ほんのりとベリー。
口当たり:染み込むような優しい口当たり。アーシーなライトピートが口腔内に広がり、合わせて樽香が少し強くなる。ほんのりと麦感を感じるが、余韻にまで続くトロピカル感のほうが強い。
余韻:余韻は中程度。微かに麦を感じる。ノージングの香味を崩さずにそのまま引き継ぐ。僅かにタンニンの収斂を残す。
マーレイマクダヴィッドから発売されたハイスペックなヴァッテッドモルト、アイラトリロジー1969です。
使われているモルトは、ボウモア1969バーボンカスク、ブルイックラディ1966バーボンカスク、ブナハーブン1968フレッシュシェリーカスクで、これだけのモルトを敢えてヴァッテッドで出す背景を40%をギリギリ超える度数から考えてみると、いずれかの樽で40%を下回ってしまったものがあったのだと推察するのが素直な考え方になるでしょう。英国の法律により、ウイスキーは40%を下回る度数で販売することが出来ませんからね。
おそらく飲んだ人全員、間違いなくそこに栄光の60年代ボウモアの存在を感じると思います。樽感はシェリー由来だと思われます。
今まで飲んだモルトの中で最も味わいが近かったものはケルティックハートランドの1969ボウモアですが、このボトルにも表ラベル下段にはJim McEwanのサイン。おそらくというか当然なのかも知れませんが、そこにあった樽をただ混ぜたのではなく、ボウモアの香味をきちんと残し、かつ引き立てるべく慎重なブレンドがなされたのではないかと考えたくなります。
何はともあれ素晴らしいボトルであることは間違いありません。
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