2026-10-09
今日の要点
- 小諸蒸留所が初のシングルモルトを発表。11月7日から限定イベント参加者向けに販売。
- Midletonはアイルランド産栗材の樽で仕上げた新作を発表。
- MiAlgaeは蒸留副産物の再利用事業拡大で250万ポンドを調達。
- Lofted SpiritsはNick Smith氏を製造責任者に昇格。
- ISCの全酒類最高賞Supreme ChampionはGlenmorangie 30年。山崎25年のジャパニーズ部門Trophyとは異なる。
本日の一面
1
小諸蒸留所、初のシングルモルト「KOMORO ORIGIN」発表 11月7日から購入権付き体験で4,000本
初回4,000本は11月7〜15日の予約制イベント参加者向け。通常の全国店頭販売とは異なる。
長野県の小諸蒸留所は10月8日、初のシングルモルト「KOMORO ORIGIN」を発表した。初回4,000本は11月7〜15日の発売記念イベント参加者向けに販売する。予約制の体験とボトル購入権を組み合わせ、直ちに全国小売店で一般販売されるという意味ではない。イアン・チャン氏のマスタークラスなども計画する。
重要な理由: 新興蒸溜所の初発売を、初期在庫の配分・地域観光・ブランド育成を一体化した流通モデルとして捉えられる。
次の観測点: 11月7〜15日の参加資格、購入価格、販売実績、一般流通への移行条件を確認する。
発表
注目ニュース
2
Midleton Very Rare、アイルランド産スイートチェスナット樽で5年仕上げた限定品
12〜19年熟成の原酒をアイルランド産チェスナット材の樽で約5年仕上げ。
Midleton Very Rareは10月8日、アイルランド産スイートチェスナット材を使う樽でフィニッシュした「Irish Chestnut Edition」を発表。バーボン樽で熟成した12〜19年のシングルポットスチルを、同国カッポクイン・エステート由来の栗材樽でさらに約5年仕上げた。56.1%、参考価格440ユーロ。通常のオークとは異なる木材の熟成利用が焦点となる。
重要な理由: 地域の栗材を仕上げ熟成に用いる実例で、木材の選択肢と熟成技術の幅を考えられる。
次の観測点: 通常のオーク樽との比較、樽製造工程、規格上の表示を確認する。
発表
3
MiAlgae、ウイスキー蒸留副産物からオメガ3生産を拡大 250万ポンド調達
蒸留副産物を微細藻類の培養に活用。グランジマウスでの設備拡張に新規資金。
エディンバラ大学発のMiAlgaeは、ウイスキー蒸留副産物を微細藻類の培養に使い、養殖・ペットフード向けオメガ3を製造する事業の拡大資金として250万ポンドを調達した。スコットランド・グランジマウスの施設で生産能力を増やす計画だ。雇用増の数字は将来目標であり達成実績ではない。蒸留工程の副産物を他産業の資源へ変える動きとして注目される。
重要な理由: 蒸留副産物の再利用に資金が投じられ、ウイスキーの環境対策を事業モデルとして考えられる。
次の観測点: 新設備の稼働時期、蒸留副産物の取扱量、製品供給先と事業採算を確認する。
発表
4
Lofted Spirits、Nick Smith氏をマスター・ディスティラーに昇格 Steve Nally氏は名誉職へ
Bardstown Bourbon Companyなど複数事業の蒸留を担う責任者人事。
米Lofted Spiritsは10月7日、Nick Smith氏をマスター・ディスティラーに昇格させた。Bardstown Bourbon Company、Green River Whiskey、Lofted Custom Spiritsなどの蒸留・品質管理を担う。Steve Nally氏はMaster Distiller Emeritusへ移行する。大規模な自社ブランド事業と受託蒸留を束ねる製造体制の技術継承として注目される。
重要な理由: 複数ブランドと受託生産を束ねる技術責任者の交代は、供給能力と品質管理の継続性に関わる。
次の観測点: 新体制の原酒開発方針と生産分担、品質保証体制を追う。
発表
5
Glenmorangie「The Thirty」、ISC 2026の全酒類最高賞Supreme Championを受賞
Glenmorangieの30年が全カテゴリーの最高賞。山崎25年の部門Trophyとは別の賞。
International Spirits Challenge(ISC)は10月6日の授賞式で、Glenmorangie「The Thirty」30年を全酒類の総合最高賞Supreme Championに選んだ。スコッチウイスキーが同賞を獲得するのは6年ぶり。一方、前日のDrinkers Loungeで扱った山崎25年はジャパニーズウイスキー部門のTrophyであり、総合最高賞とは異なる。部門賞と全カテゴリー最高賞を明確に分けて紹介する。
重要な理由: 2026年の全酒類最高賞とウイスキー部門賞の違いを示し、コンペティションの評価構造を正確に理解できる。
次の観測点: ISCの公式全受賞一覧、Glenmorangie 30年の技術仕様、過去6年の受賞変遷を確認する。
発売
6
Bowmore、人気シリーズ「The Devil’s Casks」を復活 10年・22年の2種類
10年と22年を異なる価格帯・段階的販売で展開するシリーズ復活。
Bowmoreは10月8日、限定シリーズ「The Devil’s Casks」を新たな10年と22年の2本で復活させた。10年は56.6%・希望小売70ポンド、22年は59.6%・希望小売380ポンド。英国のThe Whisky Shopなどで段階的に販売する。特に22年の購入には抽選条件などがあるため、一般的な一斉店頭発売とは区別する。長熟原酒と手が届きやすい年数の二段で、人気シリーズを再構成する。
重要な理由: 長期休止した人気シリーズを異なる熟成年数と価格帯で再投入し、希少品の販路を組み直す動き。
次の観測点: 英国各販路の販売日、22年物の抽選条件、限定数量を確認する。
発表
7
長濱蒸溜所の10月12日試飲会、参加ノートで系列4店舗のチャージ無料特典を追加
試飲参加ノートの提示で系列4店舗のチャージが無料。飲食代とは区別。
10月12日に東京で行う長濱蒸溜所の試飲イベントで、参加者全員に配るオリジナルテイスティングノートを使った新しい来店特典が10月8日に発表された。系列4店舗で提示すると所定のチャージ料金が無料となる。飲料そのものの無料提供ではない。10月4日号では未発売ボトルの試飲会を紹介したが、今回は単発体験を後日のバー来店へつなぐ特典が追加された続報として扱う。
重要な理由: 既報のイベントに来店優待が追加され、試飲体験がその後の顧客接点へ広がった。
次の観測点: 10月12日の開催状況と4店舗での優待適用条件を確認する。
発表
8
Filey Bay、House of Townend創業120年記念のリオハワイン樽単樽285本
スペイン・リオハのワイン樽を使用。285本限定で酒販店120周年を記念。
英国ヨークシャーのFiley Bayは、酒販店House of Townend創業120周年を記念した限定シングルモルトを発表した。スペインRioja Vegaのグラン・レセルバ赤ワイン樽を使用した単樽で、54.9%、285本限定、希望小売120ポンド。10月10日からHouse of Townend向けに販売する。蒸溜所・酒販店・ワイン生産者の協業を樽由来の個性へ落とし込んだ記念商品だ。
重要な理由: 酒販店・蒸溜所・ワイン生産者が樽履歴を通して限定品を共同設計した例。
次の観測点: 10月10日の実販売、樽履歴の詳細と購入者反応を確認する。
発表
9
長濱蒸溜所、2027年干支「丁未」のアマハガン記念ボトルを10月20日発売
2027年干支をデザイン化。中身は既存ブレンドで新レシピとは区別する。
長濱蒸溜所は10月6日、2027年の干支「丁未(ひのとひつじ)」を題材にしたAMAHAGANの記念ボトルを10月20日発売すると発表した。700ml・47%、税別8,300円。中身は既存のWorld Malt Edition No.1のブレンドを使用しており、新しい蒸留原酒や特別レシピを発表した商品ではない。年末贈答やコレクション需要を季節意匠で取り込む施策として捉える。
重要な理由: ウイスキーの中身を変えない限定意匠品で季節・贈答・収集という需要を開拓する。
次の観測点: 10月20日の販売条件、通常Edition No.1との差と限定数量を確認する。
発表
10
Buffalo Trace、現地10月8日夜から蒸溜所で歴史体験イベント
10月の複数週末に行う夜間ツアー。製造施設と歴史を有料体験に。
ケンタッキー州Buffalo Trace Distilleryは、現地10月8日夜から、歴史的建物や伝承を紹介する夜間イベント「Night at the Distillery」を開催予定。10月中の複数週末に、セルフガイド形式で歴史を巡り、ウイスキーのストレート1杯と特製カクテル3種の提供などを組み合わせる。21歳以上対象で参加費25ドル。朝の選定時点で初回イベントの実施結果は未確認であり、開催済みと断定しない。
重要な理由: 通常の見学を時間帯と体験内容で拡張し、歴史的施設の価値を観光収益へ変える事例。
次の観測点: 10月の各開催日の参加動向、通常ツアーとの差と継続可能性を確認する。
発表