ポートシャーロット10年50% オフィシャルボトル

目次

麦芽の旨味とスモーキーピートの共演は、モルト好きならハマるはず

PORT CHARLOTTE 10Y. 50% OB


評価:★★★ Recommend!

CP:☆☆☆

価格:★


ボトル紹介

ブルックラディ蒸留所のヘビーピーテッド。アイラモルトだが内陸系のピートを使う

ブルックラディ蒸留所からリリースされているシングルモルトの一つ、ポートシャーロットのオフィシャルボトル10年です。

ブルックラディ蒸留所は1995年に一旦は閉鎖された後、2001年に再稼働しているのですが、再稼働後の現在は原料に用いる麦芽にどれだけピートを焚いたものを使うかで分けられた3種類の異なるスタイルのシングルモルトをリリースしています。ピートを焚かないものが(フェノール濃度0ppm)ブルックラディ、40ppmのポートシャーロット、100ppm以上のオクトモアです。

どのシングルモルトも無着色、冷却濾過をしないのはもちろん、実験的なリリースを数多く輩出し、麦芽の産地(テロワール)も重要視する、アイラ島のシングルモルト蒸留所の中でも非常に野心的な蒸留所でもあります。

ブルックラディ蒸留所については以前「ブルックラディ・ザ・クラシックラディ」を記事にしてた際に書いていますので、よければそちらをご参考ください。

その際にも書いたのですが、ブルックラディ蒸留所のシングルモルトはボトルにある番号を公式ホームページに入力すると、そのボトルのリリース年から使用されている樽の種類や数まで丸わかりになっています。

今回のポートシャーロットでも同じことがしたかったのですが、残念ながらサンプルテイスティングのため出来ませんでした。ボトル情報が分かったら追記したいと思っています。

また、ポートシャーロットの面白い特徴の一つとして、アイラモルトでありながら使用されているピートがアイラ島産ではないということが挙げられます。

こうした部分も、ブルックラディ蒸留所の実験精神の表れの一つなのかも知れません。


テイスティング

しっかりとした麦芽感とスモーキーピートが主体。バランス良好なオフィシャルボトル。

ポートシャーロットは数あるシングルモルトのオフィシャルボトル(蒸留所元詰め)の中でも「昔に比べて美味しくなった」と言われるボトルの一つですが、その噂はおそらく本当なのではないでしょうか。

先述した通りアイラモルトには珍しく使われているピートがアイラ島産ではないため、ピート香にはヨードや薬品を思わせる特徴的な香りとは異なり、内陸的なスモーキーさや焚火、樽の内側を焦がしたような焦げ感が主体となっています。しかしそれがほんのりとした潮気や濃密な麦芽の旨味にマッチしていて、ハイランドやスペイサイド、キャンベルタウンといった他の地域のピーテッドシングルモルトとは異なる独特の香味バランスを実現していると感じました。

ほんのりと土っぽさや葡萄の皮のニュアンスを取りましたが、これはもしかしたら今回のバッチにワイン樽で熟成された原酒が使われていることが原因なのかも知れず、他のバッチでは再現性はないかも知れません。(このバッチでも使われていないかも知れないんですけども)

香味の主体はスモーキーなピートに加えて濃厚な麦芽の旨味であり、スペイサイドモルトにあるような華やかなフルーティーさを誇るタイプのシングルモルトではありませんが、香味が個性的でありつつ麦芽の旨味が濃厚でスモーキーピートのバランスが秀逸な優良オフィシャルボトルだと思います。

ウイスキーの原料は麦!そこに加わる少しばかりのエッセンス…みたいな感じの香味バランスは、シングルモルトが好きになった人であればあるほど気に入るポイントだと思うので、個人的には問題なくRecommendです。


テイスティングノート

香り:

しっかりとした香り立ち。焚き火を思わせるスモーキーさが先行し、ややタールのニュアンス。続いて焙煎した麦芽、ベーコン、金柑やオレンジマーマレードを思わせる甘さと酸味。ほのかに葡萄の皮のニュアンス。

味わい:

度数相当にしっかりとした口当たり。口に含むと粘性があり、ややオイリーな印象。そこから焦がしたような淡い苦味とスモークピートを伴いながら麦芽の甘味がじんわりと広がる。ほんのりとした潮気、土、ほのかに葡萄の皮のニュアンスも。ボディは厚め。

余韻:

麦芽の甘味とスモークが一貫して持続する。少し唐辛子のスパイス感を伴い、長めの余韻。

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