バレッヒン 2005 – 2020、14年 58.2% van Wees The Ultimate – 1001st

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ワインカスクの甘味に内陸ピートが折り重なる複雑な香り。

BALLECHIN 2005-2020, 14Y. 58.2% van Wees The Ultimate Rare Reserve

cask type: Burgundy Hogshead

cask No. 315

269 bottles


評価:★★★

CP:☆☆☆

価格:★☆


ボトル紹介

ワインカスク熟成のピーテッドエドラダワー

2005年蒸留のバレッヒン、ボルドーワインカスク(ホグスヘッド)で熟成された14年もの。カスクストレングス、ノンチルフィルタード、ノンカラーリングでボトリングされています。2020年の初頭にリリースされました。

バレッヒンはエドラダワー蒸留所からリリースされるピーテッドタイプのシングルモルトです。エドラダワーのピーテッドがバレッヒン(バレッヒェン)という理解でOKです。ちなみにエドラダワー蒸留所の現在の親会社はボトラーのシグナトリーです。

このバレッヒンは、1994年設立のオランダのインディペンデントボトラー「The Ultimate Whisky Company」からのリリースです。「46%加水ノンチルフィルタード」「カスクストレングス」などがある同社のシリーズの中でも、最も特別で最上位のシリーズである「Rare Reserve」からの1本です。同社のリリース全体としては1001本目に当たります。


テイスティング

樽感が良い。遠くからゆっくりとグラスを近づけて。

価格的に考えれば、かなり良い仕上がりだと思います。Recommendを付けていない理由は国内未入荷で、入手がやや難しいからです。

まず言いたいのは「遠くからゆっくりとグラスを鼻に近づけることを全力で推奨するよ!!」ということです。

これをするだけで取れる香味の幅が猛烈に広がるので超オススメ、というか絶対やってください。いきなり近くからノージングすると取れる香味も取れなくなります。(これに限らず何を飲むにしてもノージングの基本なんだぜ!)

樽に関してはワインカスクということ以外の産地などの情報はないものの、質はかなり良いものだろうと思われます。遠くからゆっくりと香ることにより、先行する葡萄の甘さと内陸ピートの織りなす複雑な香味を感じることができると思います。

口に含むと現行のエドラダワー原酒にあるクリーミーな印象も感じることができますが、麦芽の熟成感があまりないため、味わいはやや単調で、香りほど複雑な印象はありません。ワインカスクの樽感、熟成年数相当の原酒の麦芽感、内陸ピートが感じられた後は、そのまま余韻へと続きます。ここだけがちょっと惜しいなと思いました。美味しいんですけどね。

いずれにせよ樽、原酒の質も含めてスペックは良いと思われるので、経年させながら香味バランスの変化を見ていきたいと思います。個人的には期待はできるだろうと思っています。

エドラダワー蒸留所の現在の親会社はシグナトリーですが、シグナトリー傘下になってから品質が安定し、結果的に出来が良くなっています。このボトルを飲むと、ピーテッドタイプであるバレッヒンの出来も、合わせて良くなっていることを感じられるのではないかと思います。

なお、テイスティングには最初グレンケアングラスを使った後、やや大振りの、注いだ後の液面が広く、飲み口も広いグラスに切り替えて行いました。

遠くからノージングする方法と合わせて、口のすぼんだグラスよりも口の広いグラスで飲んだほうが香味展開が明確になり、真価を発揮すると思います。


テイスティングノート

香り:

遠くからゆっくりとグラスを鼻に近づけることを強く推奨します。香りの変化の幅がよくわかる。しっかりとした香り立ちで、豊潤な甘さが先行する。アメリカンチェリー、みずみずしい葡萄とその果汁、葡萄の皮、少しの土っぽさ、クリームシェリー(ワインカスクだけど)、奥から麦芽の甘さ、汗、枯れ草を燻したような印象の内陸系ピート。

味わい:

度数よりも少し優しい印象のある口当たりで、しっかりとしたタンニンの収斂がワインカスクを感じさせるとともに燻したような内陸ピートが強くなる。クリーミーな舌触りで、葡萄の皮の甘味と苦味、ナッツ。味わいに未熟な印象やフェインティな要素はないが、熟成感もない。ボディはしっかりとしているが、割とすぐに余韻へと移行する。

余韻:

味わいから継ぎ目なく移行し、味わいの要素を引き継ぐ。すえたような印象の内陸ピート、ドライレーズン、葡萄の皮、心地よい収斂で終わる。余韻は長め。

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