カリラ 1996 – 2019、22年 58.4% アイラフェス2019向け

カリラの持つ香味の可能性を広げる、意味あるボトリング。完成度も高い。

CAOL ILA 1996-2019, 22Y. 58.4% Fes Ile 2019

cask type: sherry-treated american oak casks

3000 bottles.


評価:★★★☆ Recommend!

CP:NR

価格:NR


ボトル紹介

目次

アイラフェス2019向け、少し変わった樽構成のカリラ

オフィシャルボトルのカリラ22年。

毎年5月末から6月頭にかけてスコットランドのアイラ島で開催されるウイスキーの祭典「アイラフェス」、2019向けのボトルからの一本です。

熟成樽の表記は「Sherry-treated American Oak Casks」。あまり見ないタイプの樽表記です。

詳細は不明ながら、記載から読み解くとすれば、樽材はアメリカンオーク、元々はおそらくですがバーボンカスク、それにシェリー酒を詰めてから一度払い出したものに、あらためてカリラの原酒を詰めたものだと解釈しています。


テイスティング

美味しいだけでなく、カリラの可能性を広げる味わい

このボトルは美味しいだけでなく、現行カリラの香味の可能性を押し広げるボトルなのではないかと思います。

このボトルで特筆すべきは二つ。そのうちの、まずは香味全体の一体感です。細かい分析はその後でもいいでしょう。

構成する香味をざっくりと述べるならば、金属や塩素を思わせるカリラらしいピート感、穏やかながら明確なシェリー香、ベリーやジャムを思わせるフルーツ香、しっかりとした麦芽の熟成感。

たしかに要素を個別に見れば上記のような印象で、説明するならそのようになるのですが、それらが一本のボトルとして合わさった結果、見事な一体感が生まれています。

そこから第二に特筆すべきは、カリラらしさがしっかりと残っているということです。

オフィシャルボトルとしては25年に次ぐ熟成期間の長さのボトルですが、25年にもあるような熟成感を身に纏いながらも、そこを全面に押し出さず、それを修飾、もしくは支えるような樽感には香味全体の中においてきちんとした意味があり、それにより現行カリラとして新しい見せ方を提案できている…

そんな印象を抱いてしまうような、飲むほどに認識をあらたに出来、だからこそ発見のあるボトルだと、個人的には感じました。

言葉を変えるなら、カリラというシングルモルトを「素材」として見た際に、『こういう提案も出来るのか…やられたぜ』というか。

いずれにせよ非常に興味深く、また美味しく、何よりも発見のあるカリラだと思います。

こうしたボトルは贔屓目ではなく「是非飲んでほしい」という、正式な意味でのRecommendなボトルではないかと思います。


テイスティングノート

香り:

香り立ちはしっかり、もしくは徐々にしっかりとしてくる。金属、塩素を思わせるピート香の隙間からラズベリーや苺を思わせる甘酸っぱいフルーツ香が現れる。穏やかなシェリー香で、レーズン、赤ワイン、レッドカラント。麦芽の熟成感もしっかりとしていて、香味は複雑。

味わい:

度数相当に力強い口当たりで、ややドライ。ベリーの甘さに麦芽の甘さが合わさってコクが出てくる。ボディはやや厚い。

余韻:

穏やかなシェリー感とミネラル感を引き継ぎながら、ドライでスパイシー。

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