ウイスキーのBar飲み、家飲みを少しだけディープに。世界各地の愛好家団体を不定期にご紹介、第一回目。

photo by smwsjapan.com

ウイスキーは世界中で飲まれています。それに合わせて世界中には様々なウイスキー愛好家団体が存在しています。

今回不定期連載として、そんなウイスキーコミュニティに入会するとどんなことがあるのか?割と気になる方もいるのではないかと思い、飲み手目線で紹介していきたいと思います。

第一回目は、日本にも支部のあるThe Scotch Whisky Society、通称SMWSです。


THE SCOTCH MALT WHISKY SOCIETY

設立:1983年

本拠地:エジンバラ

入会方法:申込制

入会費/年会費:2000円/8000円

入会難度:簡単


コミュニティの概要

英国に本拠を置く世界最大のウイスキーコミュニティ。

SMWSは1983年設立、エジンバラ発祥のウイスキーコミュニティです。世界各国にその国や地域の会員をまとめる支部があり、ウイスキーの会員制愛好家団体としては世界最大規模といってよく、会員制の愛好家団体というよりはむしろ会員制のインディペンデントボトラーと呼んだほうがしっくりくるかも知れません。

93が蒸留所コード、102がボトリングナンバー。

肩の高い緑色のボトルに貼られたラベルには、蒸留所名のかわりに蒸留所コードとボトリングナンバー、加えて味わいを比喩的に表した短い英文が記載されています。特徴的なのでバーで見たことのある人も多いかも知れません。このブログでも何本か紹介しています。( SMWS 93.102 “PAPAYA THE SAILOR MAN”

上記の写真を例にとると、蒸留所コード93(グレンスコシア)、ボトリングナンバー102(グレンスコシア蒸留所として102本目のボトリング)という意味です。蒸留所コード一覧は色々なサイトでまとめられていますが、更新が早いのはWhisky Saga.comかなと思います。最新のコード141はデンマークのFary Lochan蒸留所。国内未発売です。

SMWSのボトルは原則的にシングルカスク、カスクストレングス、アンチルフィルタードを貫いていますが、最近はブレンデッドウイスキーのリリースもあるなど変化が見られています。また、ボトリングはシングルモルトだけに限らず、シングルグレーン、バーボン、ライウイスキー、ラム、コニャック、アルマニャック、ジンなど幅広いです。

ちなみに日本の蒸留所としては余市、山崎、白州、宮城峡、軽井沢、秩父、羽生、知多の8カ所がSMWS入りしています。今後はもっと増えていくのではないかと思っています。


会員のメリット

photo by smws.com

①SMWSのボトルの購入権利

SMWSのボトルは原則として会員しか購入出来ません。

リリースは非常に旺盛で、各支部毎に毎月数種類のニューリリースがあります。リリース力は数あるウイスキーコミュニティの中でも群を抜いていると言えます。支部毎に取り扱いボトルが異なる他、支部限定ボトルのリリースもあったりします。

また、グレンモーレンジやグレンフィデックのようにボトラーリリースとしてはシングルモルト表記のウイスキーを許可していない蒸溜所も、SMWSだけには特別にシングルモルトとして、しかもシングルカスクでのリリースが許可されています。

②テイスティング会での優待

定期的に開催している新作ボトルのテイスティング会に優待価格で参加できます。非会員よりだいたい2000円程度の割引が適応されます。テイスティング会の内容は会員向けのメールや各支部のホームページで案内され、会員のみの特別な試飲会や即売会が開催されることもあります。

③パートナーバーでの優待

SMWSは世界各地にパートナーバーがあり、会員はそこでSMWSボトルを優待価格で提供してもらうことができます。

本部のホームページによると、日本のパートナーバーは現在13あるようです。( https://www.smws.com/about/international-partner-bars

④ウイスキーフェスなどのSMWSブースで、有料試飲が3杯無料に。

これは特にホームページなどでも宣伝されていないのですが、各地で開催されているウイスキーフェスで出店しているSMWSブースで有料試飲が3杯まで無料になります。フェスなどに足を運んだ会員はSMWSブースに立ち寄ってみると良いでしょう。

会員証を忘れても、サイトにログインしてマイページを見せればOKだったりします。

⑤WEB会報誌「UNFILTERED」の閲覧

ログイン後のマイページからスクリーンショット。会員になると中身が読める。

会員になると、会員向けのWEB会報誌「UNFILTERD」を閲覧することができます。日本支部のサイトでは英語の会報を日本語に翻訳したものが閲覧できます(一部英語のみもあり)。

さすが世界最大のウイスキーコミュニティというべきか、記事の内容は取材に基づいたしっかりとしたもので、過去の記事としては「フェイクボトル問題の特集」や「台湾の南投蒸留所の特集」など、国内の他媒体ではあまり目にすることのない内容の記事は結構読み応えがあります。


入会方法

①WEBから申し込む。

最も一般的なのは各国や地域の支部のホームページを通して入会する方法です。日本ではSMWS日本支部になります。(ホームページ:https://smwsjapan.com

おまけ情報

実は一人の会員が複数の国と地域の支部の会員になることも可能で、実際に複数の支部に入会している会員もいます。
これは会員の入会と登録、ボトルの販売や流通が支部単位で行われているためです。毎月のリリースは支部毎に若干異なるのですが、入会していない支部で販売されているボトルは、その支部にあらためて入会しないと購入することができません。その際はあらためて入会金と年会費がかかります。
配送可能な国と地域は支部毎に決まっているようです。国外支部にしかないボトルを入手したいなら、私は確認したことはありませんが入会前に国外配送が可能かどうかを問い合わせたり、現実的には海外配送サービスを使うなどの輸送手段を別途講じる必要があります(もちろん追加費用がかかります)。

②ウイスキーフェスなどのSMWSブースで申し込む

全国で開催されているウイスキーフェスにはSMWSブースが出店していることがあり、そこでも入会申込をすることができます。行ってみなくては分かりませんが、場合によってはWEB入会時の特典ボトルがオリジナルのものだったりすることもあります。気になっている人はフェスのブースを覗いてみるといいでしょう。


第2回目は…

1コメント