ゼロから始めるテイスティングノートと、誰でもできるリバースブラインドテイスティングのやり方(前編)

How to Reverse Blind Tasting (RBT) ?


テイスティングノート、書きたくないですか?

このブログを読んでいる方、テイスティングノート、書きたいと思ったことありませんか?

ウイスキーを好きになって(ウイスキーに限りませんが)色々なボトルを飲み始めると「これ美味しい!」って言ってるだけじゃ物足りなくなる瞬間って、人なら誰しもあると思うんですよ。

他に「どういうふうに美味しかったの?」と聞かれて、うまく答えられなかったりしたときなどに、人は「テイスティングノート書きたい!!」って思うのではないでしょうか。知りませんけども。


テイスティングノートは難しい?

で、とりあえず書いてみたとします。

そして、いきなり書いても割と書けないんですよねこれが。

特に、商品案内とかに書いてあるような詳しいやつをいきなり書こうと思っても、最初はまず無理ですよね。

あと、何回か書いてみたのに、テイスティングノート読んだだけだと「どれがどれだか区別がつかない」っていうパターンもありますよね。

ウイスキーAを飲んでテイスティングノート書いて、ウイスキーBを飲んでテイスティングノート書いて、後で見直したら、あれ…これ…どっちがどっちなの…?ってやつです。

そんなこんなで「あ、もうやめよ。書けても書けなくても、美味いウイスキーは美味いし、口に合わんやつは合わんっていう真理は変わらんだろ」とか、「自分には語彙力がないからテイスティングノートを書くのは向いてない」となってみたり。

目次

いや、ちょっと待ってほしい。

確かに「美味いは美味い」は真理ですし、僕もバーに行ってお酒を飲んでる時なんて基本的に「うめえ」としか言ってないですが、それでもちょっと待ってほしいです。

今回はそんな、テイスティングノートを書きたいけど、どうすればうまく書けるか分からない人のために、遊び感覚で出来るちょっとしたアイデア『リバースブラインドテイスティング(RBT)』を紹介したいと思います。


RBTって?

RBT(Reverse Blind Tasting、リバースブラインドテイスティング)を簡単に説明すると、

テイスティングノートからウイスキーを当てる

というものです。

もう少し詳しく説明すると、

他人のテイスティングノートを読んで、ウイスキーを当てる、もしくは、自分のテイスティングノートを人に読んでもらい、ウイスキーを当ててもらう

です。

普通のブラインドテイスティングと流れが逆なので、リバースブラインドテイスティングと名付けることにしました。

「結局書くのかよ!書き方教えるんじゃねえのかよ!」と思った方、

いいから最後まで読め。


RBTのやり方

では、実際のやり方を紹介します。

バリエーションは非常に多いのですが、ここでは一番簡単かつ2人でやる方法を紹介します。

① まず、ウイスキーのボトルを用意します。今回は⑴「グレンモーレンジ10年」と⑵「ラフロイグ10」の2本とします。

このように、ボトルは最初から分かっていてOKです。

② 次に、それぞれ用意したボトルを飲み、テイスティングノートを書きます。

事前に書いたものでも構いません。今回はそれぞれのボトルについてテイスティングノートを書くことにします。

③ 最後に、お互いにテイスティングノートを交換して、どっちがどっちのボトルなのかを当てます。

もちろん飲みながらで構いません。

片方がノートを書き、もう片方が当てるというのでもOKです。


RBTの注意点

  • テイスティングノートは自分の言葉、使っていてしっくりくる言葉で書きましょう。
  • テイスティングノートに蒸留所名や地域名を書いてはいけません(ボウモアっぽいとか、内陸系のピートとかはダメ)
  • テイスティングノートはそのボトル単体について書きます(AよりBのほうが甘いなどの比較表現は避ける)

これさえ守れば後はだいたいOKです。


当てっこゲームをしてからが大切

では、AさんとBさんがそれぞれ下のようなテイスティングノートを書いたとします。

テイスティングノートを交換して、どちらのテイスティングノートがどちらのボトルについて書かれたものなのかをお互いに当て合います。

AさんもBさんも、⑴をグレンモーレンジ、⑵をラフロイグとして書いています。

そして交換した結果、2人ともどちらがどちらのボトルについて書かれたものなのかを当てることができたとします。

大切なのはここからです。

Bさんは、Aさんのテイスティングノート⑴に自分が書いたのと同じ「オレンジ」という言葉を見つけました。この言葉は、少なくとも2人の間ではグレンモーレンジの香味を表現する言葉として共通していることになります。

Bさんは、自分のノート⑴に「キャンディ」と書きましたが、Aさんのノート⑴を見てそれがAさんの書いた「蜂蜜」の甘さに近いと感じたとします。ここでBさんは、Aさんが自分が感じた香味を似た意味の違った言葉で表現していることが分かります。もしBさんが「蜂蜜」という言葉が適切だと思った場合は、以後は同じような香味に「蜂蜜」という言葉が使えますし、今までのように「キャンディ」という言葉も使うことができます。この関係はAさんの⑵にある「消毒液」、Bさんの⑵にある「病院っぽい」にも当てはまります。

AさんはBさんの⑵のノートに「少し甘い」という言葉を見つけ、ラフロイグ10年を注意してテイスティングしてみると、煙や消毒液の香りの奥のほうから少しずつオレンジやバニラを思わせる甘い香りを新たに見つけたとします。Aさんはラフロイグ10年の煙や消毒液や燻製の香り(アイラピートの表現としてよく使われます)以外の部分は取っていませんでしたが、Bさんのノートを読みながらテイスティングすることで、ピート香の奥に隠れた甘さに気がつくことができたことになり、以後はこの表現が使えるようになります。

また、「バニラ」はBさんの使っていなかった言葉ですが、注意深くテイスティングした結果、「甘さ」として感じていた香味が「バニラ」だと感じたとします。これで、Bさんはテイスティングノートに使うことのできる語彙が一つ増えたことになり、また「バニラのような甘さ」のように、もとの言葉に修飾を加えた表現が使えるようになります。


いかがでしょうか?

今回は最初の紹介だったのでかなり簡単に書きましたが、これを繰り返すとテイスティングノートに使える語彙をどんどん増やし、自分のものにしていけるようになる気がしないでしょうか?

また、自分の使っているどの言葉が相手にとって分かりやすく、どの言葉が分かりにくいかということに気がつくことができる気がしないでしょうか?

実際のところ、このブログを読んでいるような人たちは、普段からもう少し複雑なテイスティングノートを読み慣れていたり、自分でも書いているという人も多いかも知れません。僕も色々な人のテイスティングノートを読んでいて、特に自分が飲んだことのあるウイスキーについてはそうです。

そういう人にとっては、今回の記事は物足りなかったかも知れません。

では、「蜂蜜」という言葉をAさんが「マヌカハニー」としていたら、それはBさんの「キャンディ」と同一の味を指すでしょうか?また、Aさんが⑴に、Bさんが⑵に、それぞれ「林檎」という言葉を使っていた場合、それは的外れになるでしょうか?


これ、ちょっと続きます

今回の記事が、テイスティングノートを自分にとっても他人にとっても分かりやすく、伝わりやすいものにするための、何らかのお役に立てたら本当に嬉しいです。

次回は、もう少し複雑なテイスティングノートの組み立てについて書いていきます。

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