トマーティン 12年 43% 旧ラベル

ハイランドモルトらしい麦芽感、オフィシャルらしいヴァッテッド感。

TOMATIN 12Y. 43% OB


評価:★★☆

CP:☆☆☆

価格:☆


ボトル紹介

目次

トマーティンと言えば国分、国分と言えばトマーティン

国分株式会社(現在は国分グループ本社株式会社)がオーナーであるハイランド地域のシングルモルト、トマーティン。そのオフィシャルスタンダードの12年です。国分さんは「缶つま」も作っていたりするので、基本的に酒好きの味方だよな!と思ったりしてます。缶つま、いいっすよね…いいですよ…?

個人的な缶つま愛はともかくとして、これは現行よりも一つ古いラベルのボトルです。ネック部分に貼られたシールから考えると、多分購入したのは2011年な気がします。僕の持っているボトルの中では割と購入年の古いボトルになります。

トマーティンは現行ボトルからボトルの形がちょっとずんぐりしたものに変わりました。日本企業がオーナーなだけあって、国内流通のトマオフィシャルラインナップは非常に豊富です。

現在ではノンエイジの「レガシー」に始まり、「12年」、ファーストフィルのオロロソシェリーカスクだけで作られた「カスクストレングス」、ポートワインカスクで後熟した「14年」、オロロソシェリーで後熟した「18年」の他、ピーテッド原酒を使用した「ク・ボカン」シリーズと、非常に幅広くリリースされています。

上記のボトルの情報は国分グループ本社株式会社のホームページ、またはオフィシャルブランドサイト見ることができます。


テイスティング

ハイランドモルトらしいしっかりとした麦芽感。

今となっては結構前のボトルになっちゃうかも知れませんが、ハイランドモルトらしく麦芽の香味が主体の、オフィシャルボトルのスタンダードとしてちゃんと仕事を果たしてる感じのあるボトルだと思います。

香味は麦芽の甘さが強く、終始一貫しています。熟成感による複雑さはない代わりに、オフィシャルスタンダードらしいヴァッテッドによる、種類の異なる様々な樽に由来する香味の複雑さを一定以上に感じます。少しレーズンを思わせる香味が感じられるため、おそらくシェリーカスクの原酒も入っているのだろうと思います(こうした構成は現行ボトルも同じなようです)。

フルーツ香はやや控えめですが、溌剌としながら少し若い印象のある麦芽の甘さに続いて、林檎を思わせる香味が立ち現れてきます。ザラメやべっこう飴を思わせる香味と合わさり、縁日で売っているりんご飴のような印象を残します。

オフィシャルサイトでは「ハイランドのソフトな一面」と宣伝されていますが、あらためて飲むと結構ハイランドモルトらしい麦芽感は前面に出ていると感じました。熟成感こそありませんが、シングルモルトに原料である麦芽の香味を求める飲み手には向いている味わいだと思います。その意味で非常にシングルモルトらしいシングルモルトだと言えると思います。

個人的には溌剌とした麦芽香の中にある原酒の若さを後少しだけ樽香でマスクしてくれてもいいかなと思ってしまいましたが、多樽ヴァッテッドのオフィシャルスタンダードらしい種類の異なる樽由来の複雑さとあり、5000円以内で手に入るのであれば家飲みボトルの選択肢にも入るかも知れないです。

実を言うと僕自身は現行のずんぐりボトルをまだちゃんと飲んでいないので、これからは機会を見つけて飲んでみたいと思っています。


テイスティングノート

香り:

穏やかな香り立ち。原料である麦芽の甘さが先行し、ややクリーミー。そこにザラメ、べっこう飴。それから穏やかなウッディネス、弱く林檎、蜂蜜。微かにレーズンもあるか。同様に、微かにだが内陸系のピート香も感じられる。

味わい:

口当たりは度数相当。ミディアムボディで、しっかりとした麦芽の香味が主体。フルーツ香が香りよりも少しだけ強く感じられ、林檎と蜂蜜、後はりんご飴のような印象。程なく余韻に移行する。

余韻:

味わいを引き継ぎ、少しのドライさとスパイシーさ。乾いた印象のウッディネスがじんわりと持続する。

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