ティーニニック 1973 – 2017、43年 50.8% 信濃屋×TWA 「和み」

長熟特有の熟成感と近年では滅多に見れない美しいシェリー香の共演。素晴らしい。


評価:★★★★☆ Recommend!

CP:☆☆☆

価格:★★★★★


TEANINICH 1973-2017, 43Y. 50.8% NAGOMI

Specially bottled for SHINANOYA by The Whisky Agency

cask type: Sherry Butt

cask# 20226

294 bottles.


ボトル紹介

2017年の信濃屋PB10周年記念第7弾

2017年は信濃屋さんがプライベートボトリングを開始してから10周年を迎えた記念の年でした。それに合わせて計10本の特別なボトルが選ばれたのですが、その中で7番目に選ばれたボトルがこの1973年蒸留のティーニニック43年熟成です。

ジョニーウォーカーの構成原酒としても知られるティーニニックは基本的にブレンデッド用の原酒であり、そもそもオフィシャルボトルのリリースが極端に少ない蒸溜所(200周年記念を除けば「花と動物」シリーズ、レアモルトシリーズくらい)ですが、その中でもここまで長期熟成のティーニニックは非常に珍しいと思います。

そんな中でもティーニニックのハウススタイルを示す味わいの要素として良く言われるのは「ニッキ、シナモン」。特にオールドボトルでは分かりやすいようです。

このボトルの熟成に使われているシェリーバット樽は容量が500-600L程度で、熟成期間中の目減りを考慮しても通常であれば500本程度はボトリングできることになりますが、このボトルのボトリング本数は294本。他のボトラーと原酒を分けた(樽分け)という話は聞いておらず、長い熟成期間中に相当量が天使に飲まれてしまったということなのでしょうか。


テイスティング

長熟シェリーモルトとして、近年のボトリングではこれ以上望めない完成度の高さ。

非常に素晴らしいボトルです。

飲むたびに幸せを噛み締めています。

同一ヴィンテージかつ同一時期にリリースされたティーニニックとして、以前ブログで紹介したティーニニック1973-2017,43Y. 48.8% TWAパーフェクトドラムがあり、あちらも相当良いボトルですが、こちらも同等か、それ以上だと思います。両者の香味構成は似ていますが、その事実すらこのボトルの美味しさを示すベースラインとなるでしょう。

香りからして「あ、もうこれずっと嗅いでいてもいいかも。いや駄目。飲まないとか有り得ないですわ」と思わせるくらいレベルが高いです。

口に含んでから余韻にかけても、香りで感じた印象は持続します。詳細は後述のテイスティングノートに譲りますが、近年ボトルのシェリーモルトとしてはほとんど完璧に近い香味バランスだと思います。

度数も高いため保管に気をつけさえすれば経年変化で今後更なる古酒感と一体感が出てきてくれたらいいなと思いながら、抜栓直後からあまりにも美味しく、もうほとんど残っていないところだけが悔やまれますね!

今は飲み過ぎたくなる気持ちを抑え、アルミホイルを巻いてしっかりと遮蔽し、冷暗所で保管しています。

熟成年数に由来する複雑さに加え、同様に熟成の長いシェリーモルトにしか現れ得ない、丸みと甘みを帯びた、もはや「美しい」としか形容出来ないシェリーカスク由来の甘みが、文字通り渾然一体となって立ち上ってきます。

シェリーカスクで熟成されたシングルモルトであっても、最近のリリースではこのタイプのシェリー香は普通もうお目にかかれないと思います。狙って探そうとするならば60年代蒸留のシェリーカスク熟成の長熟スペイサイドなどのオールドボトルを探すくらいしか思い付きません。

近年ボトリングの傑作であり、「蒸留所のネームバリューに拘らず美味しいものを届けたい」という信濃屋さんの信念が結実したボトルでもある思います。


テイスティングノート

香り:

素晴らしい。しっかりとした香り立ち。複雑で、甘く、熟成感があり、古酒感があり、渾然一体としている。南国果実感のある山盛りのフルーツバスケット。とろりとした濃密な印象もある。熟して甘みを増したアプリコット、黄桃(好きな人は絶対すぐ見つける)、コンポートした洋梨。旬の葡萄と、そこから選び抜かれた粒選りのレーズン、熟れたバナナ。熟成を極めたような麦芽の甘み、香木、奥には微かにシナモンを思わせる甘いスパイス。一度飲んであらためて香りを嗅ぐと、ほんのりとカカオもある。探そうと思えば様々な香味を幾らでも探すことが出来るため、いつまでも嗅いでいたくなる。探せるだけ探そう。手入れの行き届いた古い家具?状態の良い葉巻?どうぞどうぞ。

味わい:

ボディは厚く、口当たりは度数を感じさせない滑らかさ。樽材由来の若干のオークのスパイスに古酒感を伴い、非常に心地良い。その後どこまでがボディでどこからが余韻なのか分からないくらい渾然一体とした複雑な甘さと旨味が広がる。心地良いウッディ、熟成感のある麦芽の旨味、そしてここでも山盛りのフルーツ。皮付き林檎のコンポートと洋梨のコンポート、古酒感のあるシェリーも健在。

余韻:

味わいから分かち難く移行する。じんわりとしたウッディさの中から穏やかにスパイシーな印象が現れ、香りでも現れた古酒感のある美しいシェリー香、熟した麦芽香、盛大なフルーツ香。南国感。長く続く。


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