ボウモア スプリングタイド 54.9% オフィシャルボトル 2012年リリース

抜栓当時より香味に一体感が出てきている。ボウモアの個性と嫌味のないシェリーカスクの個性。

BOWMORE SPRINGTIDE 54.9% OB


評価:★★★ Recommend!

CP:☆☆☆

価格:★★(当時。現在は★★★)


ボトル紹介

目次

免税向けにリリースされたノンエイジのシェリーボウモア

ボウモア・スプリングタイドは免税市場向けにリリースされたノンエイジのシェリーボウモアです。2012年リリースと2016年リリースがあり、両者はラベルが異なるので判別は容易です。今回のボトルは2012年のものですが、国内で並行輸入品が出回ったおおよそ2014年頃に購入したボトルです。

ボトルのタイトルになっているSPRINGTIDE(スプリングタイド)とは、地球と月と太陽がちょうど一直線に並ぶ時期に起こる大潮のことで、このボトルに使用されている原酒はその大潮の時期に蒸留され、スパニッシュオークオロロソシェリーカスクで熟成されたものであるとラベルに記載されています。

比率は分かりませんが1stフィルと2ndフィルのスパニッシュオークオロロソシェリーカスクで熟成された原酒が使用されているようです。熟成年数の表記はありません。


テイスティング

抜栓当時より良い。近年シェリーボウモアの優等生。

このボトルの評価は発売当時から「なかなか出来の良いシェリーボウモア」というものだったと記憶しています。あらためて飲んでもその評価に変わりなく、個人的には当時より仕上がりが良くなっているのではないかという印象すらあります。

しっかりとしたシェリー香の奥からパッションフルーツを思わせる香味が現れます。このボトルの見所がどこかと問われれば、おそらくここになるでしょう。

熟成年数表記がないことから原酒はおそらく2000年代蒸留のものが中心だろうと思われますが、口に含んでも度数の高さと樽由来の香味の影響もあってか、いわゆる「紙を食んだような」個性は感じられず、シェリー感にもサルファリーやエグミなどのネガティブな要素も感じません。もちろんパフューム香もありません。雑味のない樽香とともにボウモアらしいピート感にもきちんと主張があり、原酒の未熟さも全く目立たない仕上がりとなっています。

良く言い過ぎかも知れませんが、きちんと見所を持ち、欠点らしい欠点のない味わいで、減点法で評価しようとしても減点出来ない、まさに「優等生的な味わい」のシェリーボウモアだと思います。しかも、決してつまらない味わいのボトルではありません。悪い言い方をしても「シェリーとピートで欠点を上手く潰している」という程度の評価にはなるでしょう。

ただし熟成感を楽しむボトルでないのは確かです。こなれたシェリー香と酒質の長所を楽しむボトルです。また、シェリー感が更に濃密なボウモアは最近のリリースでも見受けられます(SMWS 3.307など)。

そうは言っても、このスプリングタイドをまだ飲んだことがなければ、一度くらいは飲んでほしいボトルです。少し涼しくなってくる秋口あたりに暖かい部屋で飲むのが最適ではないかと思います。

現在でも探せばボトルが見つけられますが、さすがに値上がりしているようです。ただ、保管さえ間違わなければ経年変化での味わいの統一と仕上がりの向上が見込めそうな印象があるため、一度飲んで気に入り、かつ価格に問題がなければ、ボトルで確保した後しばらく保管しておくのも良いかも知れません。

いずれにせよ、Recommendです。


テイスティングノート

香り:

しっかりとした香り立ち。最初はシェリーカスク由来の香味が先行する。レーズン、ブラックベリー、黒土、スパイス、程良いウッディネス。そこから微かにパッションフルーツ、パイナップル。その奥にはレッドカラントのような酸味も。

味わい:

口当たりは度数相当。嫌味のないシェリー感は変わらず、パッションフルーツを思わせる南国系の甘酸っぱさが前に出てくる。ミディアムピート。ボディは中程度。

余韻:

程良いウッディネスとスパイス、パッションフルーツ、ミディアムピート。少しレーズンが返ってくる。じんわりと長い余韻。


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