グレンモーレンジ 1989 – 2017, 27年 40% グランドヴィンテージモルト ボンドハウスNo.1コレクション

現代的な解釈を施した、新しい世代を代表するワインカスクフィニッシュの傑作。

GLENMORANGIE 1989-2017 27Y. 40% Grand Vintage Malt Bond House No.1 Collection. 6178 bottles only.


評価:★ ★ ★ ★

CP:☆ ☆

価格:E


香り:

芳醇な香り立ち。甘く複雑で、完熟した山盛りのフルーツを目の前に置かれたような印象。ブラッドオレンジ、オレンジマーマレード、焼き林檎、ラズベリー、ブラックベリー、レーズン、奥から桃、マンゴー、穏やかなパッションフルーツ。ワインカスクの樽感はしっかりとしていて、そこに香ばしさと焦げ感を伴う。コーヒー、ブラックチョコレート。徐々に渾然一体としてくる。

味わい:

口当たりは穏やかで、ウッディネスがしっかりとしてくる。収斂を伴いつつ、アイリッシュウイスキーに感じられるようなトロピカルフルーツ感が口の中に広がる。続いてローストした麦芽の香ばしさ。ボディは非常に厚い。

余韻:

ウッディネス、麦芽の甘さと香ばしさ、トロピカルフルーツが持続し、ベリーの甘さ、オレンジマーマレードを思わせる苦味が残る。複雑。


目次

ボンドハウスコレクション第2弾

2017年に第一弾が発売されたグレンモーレンジ蒸溜所のオフィシャル新シリーズ「Bond House No.1 Collection」の第二弾ボトル。2018年の4月に発売されたばかりのボトルです。

第一弾ボトルと同じくボンドハウスNo.1の原酒が使われていて、ウイスキーコレクター、ウイスキー愛好家をターゲットに発売されているシリーズです。

1989年蒸留の第二弾ボトルには、コートロティ・ワインカスクでフィニッシュした原酒が使われています。熟成年数は27年ですが、フィニッシュ期間の記載はありません。

(第一弾ボトルに関しては、都合3回もテイスティングノートを挙げてしまいました。自分という人間の紆余曲折の日々が垣間見れるかと思いますのでリンクを貼っておきます。第一回第二回第三回。)


はっきりとしたベリー系の甘さを伴うフルーツの多彩さ

このボトルですが、前作同様非常に美味しいです。少なくとも私はそう思います(このまま飲み進めて、前と同じような流れだったらどうしよう 笑)。

はっきりとしたベリー系の甘さを伴うフルーツ香の多彩さは見事という他なく、色とりどりの完熟果実が本当に目の前に置かれているかのような印象すら覚えます。

特に南国系のボトルが好きな人には間違いなくドンピシャだと思います。

前回もフルーツ香は盛大でしたが、ベリー系の甘さや、コーヒーやブラックチョコレートを思わせる香ばしさや焦げ感は、使用されているコートロティワインカスクの個性なのではないかと思っています。

カスクフィニッシュゆえの樽感は好みが分かれる部分かも知れませんが、これも飲み進めるほどに他の香味と馴染んできて、このボトルの香味を構成する要素として必要不可欠なものだと感じられてくるのではないかと思います。

40%という度数は議論の的になるかも知れません。もしこれが46%、少なくとも43%であったらどういった味わいだったのかとか、40%まで加水したことは商業主義的な傾向に流れたことを示すのではないかとか、いや、逆にこれがこの原酒のベストバランスだったのだろうかとか…。

私個人としてはもう少し度数の高いものを飲んでみたかったです。


現代的な解釈に基づく、グレンモーレンジの新しい世代

ただ、間違いなく言えるのは、このボトルが新しい世代を代表するグレンモーレンジだということだと思います。

グレンモーレンジのワインカスクフィニッシュという繋がりの中で、既にテイスティングしているグレンモーレンジ1975-2003テインエルミタージュと比較しつつ飲んでみましたが、評価の確定しているオールドボトルとの比較にもそれなりに耐え得るだけのポテンシャルが、今回のボトルにはあると思います。

確かに、1975テインエルミタージュは本当に美味しいです。多層的な香味とボディの厚さ、一杯の満足感など諸要素が抜きん出ています。

そして1989はベリー感やトロピカルフルーツ香が明確で、より現代的な味付けがさせていると思います。


これも是非、様々な飲み手の意見を聞いてみたいボトルです。

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