ボウモア 17年 43% ホワイトサンズ

90年代の風情を伝えるお値打ちボウモア。買うならたぶん今のうち。

BOWMORE 17Y. WHITE SANDS 43%


評価:★ ★ ★ Recommend!

CP:☆ ☆ ☆ ☆

価格:★


香り:

穏やかな香り立ち。酸味が立った柑橘の香りが先行し、グレープフルーツの皮やワタ、パッションフルーツを思わせる穏やかなトロピカルフルーツ香。奥からやや香ばしさのある麦芽香。僅かにオイリー、ライトなアイラピート。

味わい:

度数相当の柔らかい口当たり。湿ったアイラピート、グレープフルーツとパッションフルーツ、乾いた木材を思わせる収斂、麦芽の甘み。90年代後半のボウモアを思わせる典型的な味わい。

余韻:

余韻の長さは中程度。グレープフルーツの苦味、紙を食んだような水分を奪われる感覚のある収斂と、微かなバニラの甘味。


2014年から免税向けとして同時期に発売されたボウモア3種のうちの一本です。

『ブラックロック』『ホワイトサンズ』『ゴールドリーフ』の3銘柄が発売され、どれもボウモア蒸留所では最も海に近いことで知られる第1熟成庫で熟成された原酒が用いられています。蒸留所付近の景観から取られたそれぞれの名前は、60年代の原酒を使用した伝説的な三部作(ブラックボウモア、ホワイトボウモア、ゴールドボウモア)へのオマージュになっていることも伺わせます。

ホワイトサンズはロッホインダール湾のほとり、ラーガンベイにある弓状の白い砂浜の名前だそうです。このボトルは同時に発売された3つの中で唯一熟成年数が表記されています。


ボトリング時期は各ロットによって異なると思われるため、逆算すると1997年前後から1999年以前までに蒸留されたボウモア原酒が使用されていることになりますが、そうした知識抜きでも90年代後半のボウモアの良い部分をしっかりと感じられる、小粒ではありますが良リリースだと思います。

グレープフルーツやパッションフルーツを思わせるフルーツ香と適度な熟成感、余韻にほんのりと現れるバーボン樽由来のバニラを思わせる香りとのバランスも良く、同じようにバーボンカスク主体の香味構成を持つオフィシャルボトル旧12年と比べても熟成感や香味の多彩さで勝ります。


ボトラーリリースの90年代ボウモアは最早20000円を超える価格が当たり前となっている現在において、加水であることを差し引いても、このボトルのコストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。

また、ボウモアのオフィシャルボトルにはバーボンカスク主体の中熟ボトルが長らくなかったため(18年は旧ボトルも新ボトルもシェリーカスクが香味構成の中心)、そういう意味でも痒いところに手が届くボトルだと思います。


免税向け商品でしたが並行輸入品として一般市場でもそれなりの数が流通し、価格の面でも比較的恵まれたボトルだったので、発売後は各地のバーや個人を問わず、多くの方に飲まれたボトルだったと思います。インターネットを検索すれば様々な飲み手によるテイスティングノートを見つけることが出来、概ね好評価のようです。

既に免税向けとしては新しいシリーズが発売されているため、このボトルは徐々に姿を消していくと思われますが、国内のネットショップではまだ十分に入手可能なようです。

気に入っているのであれば入手は今のうちかも知れません。

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