グレンモーレンジ 1972-2004 30年 オロロソカスクフィニッシュ 44.3%

しみじみ美味しいの極致。カスクフィニッシュの最高峰。

GLENMORANGIE rare aged 30 years old Oloroso Cask Finish 44.3%


評価:★ ★ ★ ★ ★

CP:NR

価格:VE


香り:

繊細な香り立ち。硬質でクールな印象。オレンジ、ブルーベリー、マスカット、巨峰、黄桃、洋梨、他にも様々な果実の香りが探せば探すほど現れる。妖艶なオールドシェリー香、奥からは熟成感のある甘い麦芽香も。僅かにみたらし団子のような印象。これらが折り重なっていて、繊細だが非常に複雑な香味構成をしている。渾然一体としており、解きほぐし難い(尚、このボトルには僅かなヒネ香があるが、これは状態差によると思われる)。ざっくり言うと、ヒネを考慮しても非常に良い香りである。

味わい:

滑らかで、特有の硬質な印象のある口当たり。雑味はなく、味わいに透明感があるにも関わらず果実香に凝縮感が現れ、ベリーの甘さと熟成感を伴う麦芽の甘さが絡み合う。心地よい樽由来の収斂。

余韻:

心地よい収斂を伴いながら、クリアでみずみずしい果実の甘さが持続する。


グレンモーレンジのオールドボトル。オロロソカスクフィニッシュの30年ものです。

シングルモルトラヴァーの中では鉄板で美味しいということが知れ渡っている、ある意味レジェンダリーなボトルだと思います。


「オロロソカスクフィニッシュ」と銘打たれているとはいえ、そんじょそこらのフィニッシュものとは訳が違いますよ?一緒にしたら大間違いですからね?

30年熟成ですが、そのうちオロロソカスクでのフィニッシュ期間、まさかの15年。

1972年蒸留の原酒をファーストフィルのバーボンホグスヘッド(ex-bourbon hogsheads)でまず15年間熟成させた後、1989年からオロロソシェリーバットで更に15年間熟成させ、2004年にノンチル、カスクストレングスでボトリングしています。

1972年蒸留の2004年ボトリングなのに30年熟成という時点で年数の引き算が合いませんが、樽の移し替えの前におそらくマリーイングされていると考えられるので、こうした年数の誤差が生じているのでしょう。


何というか、手間がかかり過ぎているというか、本当に良くやってのけたよと言ってしまいたくなるような、ほとんど変態の所業と言っても差し支えない作りのシングルモルトだと思います。他に見たことねぇぜ。

よくもまあ「フィニッシュ」なんてざっくりと名付ける気になったもんだよ…(笑)


この壮大で実験的な手間暇は見事に功を奏していて、香味の一体感は他の追随を許さないレベルに到達しています。

シェリーカスクも上質なものを使っているのでしょう。エグミや雑味は一切なく、驚くほどフレッシュな果実感が余韻まで持続していて、これをして「カスクフィニッシュの最高峰」と言わずして何と言うかというような感じです。


とっても美味しく、そしてしみじみ美味しく、最後まで美味しい、私の大好きなボトルです。

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