カヴァラン ソリスト ヴィーニョ・バリック 57.8% cask# W090220006

樽感は強く、甘さの展開が面白い。なんとハイボールで高いポテンシャルを発揮!

KAVALAN SOLIST VINHO BARRIQUE 57.8% cask# W090220006, 196 bottles.

評価:★ ★ ☆(ハイボールで★ ★ ★ ☆ Recommend!)

CP:☆ ☆(ハイボールで☆ ☆ ☆)

価格:★ ★ ☆


香り:

しっかりとしていて甘く濃厚。樽由来だと思われる香りが非常に強く、最初はファーストフィルシェリーのような印象。ウッディで、アルコールの揮発香とともにドライレーズン、プルーン。その後に奥から赤ワインのどっしりとしたタンニン、酸、うっすらとラズベリーの甘酸っぱさ。

味わい:

力強い口当たり。ドライレーズンが瑞々しさの残るレーズンへと変化した後に弾けるように甘く広がり、ブラックチェリー、フランボワーズソースのような甘さへと変化する。併せて若い麦芽の甘さが現れる。麦芽の熟成感による複雑さはないが、樽由来の甘さはややべったりとしているものの展開があり複雑。

余韻:

かなりスパイシーでドライ。


台湾のカヴァラン蒸留所のオフィシャルボトル、カヴァラン ソリスト ヴィーニョ・バリック。

公式からの抜粋になりますが、カヴァラン蒸留所のチーフブレンダーによって選ばれた世界各種の最高級ワイン貯蔵の経歴を持つホワイトオーク樽を、金車酒造工場内で2年間の自然乾燥ののち集成技術を加えてウイスキーの貯蔵・熟成に用い、ビーニョ特有の独特で繊細な風味を表す科学技術と芸術の調和が生み出した傑作、とのことです。

ソリストはシングルカスクでボトリングされるシリーズで、カヴァラン蒸留所のラインナップの中でも上級グレードに当たります。このボトルもリリース毎にカスクナンバーが異なります。


創業以来幾多の受賞歴を持つカヴァランですが、ヴィーニョ・バリックも2015年のWWA(World Whisky Awardという世界的なウイスキーコンペティション)でワールド・ベスト・シングルモルトを受賞しています。


このボトルの裏ラベルには2014.11.26, 09:21との記載がありました。

2014年11月26日09時21分にボトリングされたということでしょうか。受賞ボトルとはカスクナンバーが異なりますが、似たような時期に購入しているので、シスターカスクみたいなものかも知れませんね。

少なくとも株式会社エマナックは2016年以降カヴァランの輸入業務提携を解消されているため、それ以前のボトルになります。


このボトルに限らず、カヴァランはどのボトルも樽感(熟成樽に由来する香味)が強く、その部分で飲み手の好き嫌いがはっきりと分かれる蒸留所だと認識しています。

端的に行ってしまうと、長熟のスコッチ・シングルモルトにあるような麦芽の熟成感を好む飲み手からは、どうしても敬遠されがちです。

このボトルの味わいもその例に漏れませんが、口に含んだ後の樽由来の甘さの展開は非常に面白く、他にはない個性だと思います。また、これだけしっかりと樽感が付いているにも関わらず、エグミなどのネガティブな要素を感じさせないところも評価すべきポイントだと思います。

「決め手になるのは酒齢ではなく、風格と円熟味」というのはカヴァランの公式動画(日本語版)からの抜粋です。個人的に樽感の強さ=風格や円熟味だとは思いませんが、温暖な気候の元で早いペースで熟成される原酒に合わせて、樽の使い方はかなり研究されていると伺っています。


さて、話は変わりますが(むしろ本題に入りますが)、実を言うとこのボトルを飲んだ瞬間に『ああこれはもう絶対にハイボール』だと確信したので早速試しました。

目次

最高です。

コーラなの?と錯覚するくらい甘さが伸び、これはもうハイボールしかないだろ?と思えるレベルで最高です。

炭酸で割ることで、ストレートではややべったりと感じられたワインカスク由来の甘さが、構成成分を一つ一つ繊細にほぐされていくようで、非常に多彩で奥行きのある味わいが現れます。しかもハイボールなので喉越しもサッパリ。


こうやって飲み方を変えてみると、本当に樽選びに力を入れてるんだなとか、もしかしたら10年後には今の力強さがある程度落ち着いて、かなりこなれたウイスキーになりそうだなとか、色々なことに思いを巡らせるきっかけになることがあり、ウイスキーの楽しみ方の幅が広がりますね。

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