マッカラン 10年 40%

一昔前のマッカランのエントリーボトルでもあり、シェリーモルトを楽しむためのエントリーボトルでもあったと思う。

MACALLAN 10Y. 40% OB


評価:★ ★ ☆ Recommend!

CP:☆ ☆ ☆ ☆

価格:☆


香り:

度数相当の穏やかな香り立ち。穏やかな醸造酢の酸味、甘みを抑えたレーズン、黒糖、黒土、ややもっさりとしている。静置させておくとオレンジピール。麦芽香とともに乾いた麦藁、ハスク、籾がらの香り。

味わい:

度数相当の滑らかな口当たり。ピリピリとしたスパイシーさがあり、酸味と収斂。麦芽の熟成感には乏しい。砂糖を焦がしたようなカラメルの苦味と甘さ。

余韻:

加水によってならされた穏やかなスパイシーさとドライさ。

オフィシャルボトルのマッカラン10年。残念ながら既に終売しているボトルですが、もともとかなりの本数がボトリングされて世界中で発売されていたため、ボトル自体はそこまで珍しくはありません(ただ、今探すのは少し大変かも知れません)。


味わいとしてはシーズニングシェリー(※)のそれで、可もなく不可もなく、普通に美味しいボトルです。瑕疵を探せばキリがありませんが、価格ベースで考えればシェリー樽熟成のシングルモルトを楽しむためのエントリーボトルとして、必要充分な実力は備えていると思います。CPの高さがrecommendの理由です。


最近では低価格帯のボトルでシェリーの香味をきちんと楽しめるシングルモルトは少なくなってきていていると感じていますので、今後このくらいのコストパフォーマンスのボトルがオフィシャルから発売されると嬉しいなと思います。

ちなみに、ハイボールにするととても美味しいです。


シーズニングシェリーとは

言ってしまえば、最初からウイスキーの熟成に使用する目的で作られたシェリー樽。擬似シェリーなどと呼ばれることもある。シェリー樽で熟成されたウイスキーの香味は昔から人気で、需要の増大に応えるかたちで誕生し、近年のシェリーカスク熟成のウイスキーにはほとんどシーズニングシェリーが用いられている。
シェリー酒の香味を樽に移すために、空き樽に一定期間シェリー酒を入れた後に中身を払い出して作る。狙ったお酒の香味を樽に移すためのこうした工程をシーズニングという。
本来のシェリー酒はソレラ・システムという特殊な方法で熟成され、ウイスキーマニアの間では、ソレラ・システムの構成樽からウイスキー熟成用に回された樽を真のシェリーカスクとして、シーズニングシェリーと区別する見方が広がり始めている(日本では五反田にあるシェリー・ミュージアム館長の中瀬航也氏の知見が大いに参考にされている)。
シーズニングかどうかは特にラベルに記載されているわけではないので、区別の仕方は主に各飲み手の味覚という画一化不可能な指標に頼ることになるが、ウイスキーとシェリーの産業史的に60年代や70年代蒸留の原酒にはソレラ・システム内で使用されていたシェリー樽がウイスキーの熟成用に流れてきていたそうで、シェリーカスク熟成のウイスキーがオールドボトルと最近のボトルとで味わいの異なる要因の一つになっていると考えられている。ただし最近ではシーズニングの方法も洗練されてきたのか、シーズニングシェリー熟成と思われるウイスキーにも飲み手から「オールドシェリーを思わせる香味がある」と評されるボトルは存在する。
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