エドラダワー 1968-2010 41年 46% キャプテンバーンズ

オイリーでソーピーでパフューミー。万人受けはしないと信じている。ただし一部の飲み手を強烈に惹きつける魅力はあるらしい。

EDRADOUR 1968-2010 41Y. 46% Captain Burn’s


評価:すごく…ソーピーです…( ★ ☆ )

CP:NR

価格:★★☆


香り:

しっかりとした香り立ち。非常に個人的な物言いで申し訳ないが、何だか不穏な香りがする(厚塗りした化粧品や化粧下地の香り。夜の歓楽街の、奥まった路地の先にある寂れたビルの中の、照明を落とされた一室を連想させるような不穏さがある)スミレ、奥からナッツ、麦芽の甘みと熟成感。

味わい:

間違って口に入れてしまった粉石鹸。泡風呂と女性の化粧を連想させる香味が口の中に広がる。ざっくり伝えるとオイリーでソーピーでパフューミー。

余韻:

オイリーでソーピーでパフューミーな感じがいつまでも舌に残る。僅かに樽の収斂。奥からほんのりとした甘みが感じられないこともないが、飲み終わってしばらくしてからも、自分の吐く息からふんわりと石鹸香と化粧香を感じ取ることが出来る。



先日開かれた『ゼニスのローズバンク15年を飲む会』に血迷って持って行った1968年蒸留のエドラダワー。小瓶に100ccくらい移して持って行きました。

60年代のエドラダワーとはどういった味わいなのかを、如実に、しかも端的に知るには丁度良いボトルがこれです。


先に申し上げてしまいますが、私はこのボトルにあるような「石鹸香(ソープ)」や「化粧香(パフューム)」が苦手です。

このボトルのように、こうした香りが強過ぎる場合は特にそうです。

ウイスキーが本来持っていて、香味の複雑さと多層性を構成する核となる(と私が考えている)麦芽香、樽香、エステル香の全てを潰してしまう、悪しき香味だと思っています。

私が石鹸香や化粧香を楽しむことの出来るのは、他の香味要素とのバランスを崩さず、そこにアクセントを加える程度のレベルに抑えられている場合だけです。


『手が洗えそうなほどにソーピーです』と事前にアナウンスしていたので、そんなに減ることもないだろうけど、むしろ出来れば減らしてほしいくらいに思っていましたが、会に参加されていた方の一人がこのウイスキーの味わいを心の底から気に入ってしまったようで(!)、ローズバンクやポートエレンを初めとする錚々たるボトルが並ぶ中、後半はそんなものなど目に入らないと言わんばかりにこれを飲み続け、結果酔い潰れるという深刻なほどの愛情(と言う名の性癖)を見せつけられました。

それならばと、帰り際、その方に移し替えた瓶ごと残りを進呈したのは言うまでもありません。

その方曰く、『このウイスキーはとにかくエロい』とのことです。興味深かったので更にお話を伺いたかったのですが、酔っていたこともあって、あまり詳細に話してもらうことは出来ませんでした。ただ、ある特定の場所における特定の性的体験を強烈に想起させるとのことで、もう大好き過ぎて離れることが出来かねるというような内容だったことは理解しています。

結果、私のテイスティングノートにもその影響が色濃く現れているのですが、実際のところ結構的確なイメージなんじゃないかと思います。


まあ上記のくだりはともかくとして、言い方を変えれば、私はこのウイスキーに選ばれませんでしたが、その人は見事に選ばれたわけです。

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