グレンモーレンジ 1990-2016 43% グランドヴィンテージモルト ボンドハウス No.1 コレクション

エレガント。とびきり上等なマンダリンオレンジと蜂蜜を使い、最高峰のパティシエが作ったフルーツパフェ。素晴らしい出来栄えのグレンモーレンジ。

Glenmorangie 1990-2016 43% Grand Vintage Malt BOND HOUSE No.1 COLLECTION


評価:超美味いやつだ( ★ ★ ★ ★ )Recommend!

CP:良くも悪くも…( ☆ ☆ )

価格:E


香り:

控え目な香り立ち。上品で繊細。蜂蜜、鼻腔の奥に長く絡みつく旨味のある麦芽香、オレンジ、オレンジシャーベット、アプリコット、バニラアイスクリーム。そこに瑞々しいレーズンが僅かに加わる。

味わい:

加水からくる優しい口当たりにも関わらず、口に含むと信じられないくらい華やかで複雑な香味が弾けるように広がる。麦芽の甘さとオレンジの強い甘さと適度な酸味、ほんのりとしたウッディネスなどが渾然一体となって、じわじわと余韻へと続いていく。

余韻:

太陽の光をたっぷりと浴びた甘みの強いマンダリンオレンジ。そこからミントを思わせるハーバルさが僅かに現れ、微かなタンニンの収斂を伴いながら、オレンジキャンディのような甘さが長く持続する。エレガントで華やか。


グレンモーレンジがかなり久し振りに発売したヴィンテージ付きオフィシャルボトル。”BOND HOUSE No.1 COLLECTION”の第一弾ボトルということになります。日本未入荷ですが海外サイトの評価がかなり高かったため個人輸入し、期待に胸を膨らませながら抜栓しました。


ボンドハウスNo.1は、かつてのグレンモーレンジ最大の貯蔵庫の名前です。しかし生産体制の強化のため1990年にその貯蔵庫へ新しい蒸留機(スコットランドで一番ネックの長い、キリンのようなあのポットスチルです)が運び込まれ、以後は貯蔵庫としてではなくウイスキーの蒸留棟として使用されるようになります。現在ももちろんそのように使われています。ウイスキーを作るにあたり、同じ敷地内であってもそれまでとは違う場所でウイスキーを生産するということは、一種の賭けのような側面があります。生産者や技術者は、同じ形の蒸留機と同じ原料と同じ水を使っても、場所が変わるとウイスキーの味わいも変わってくることを知っているからです。そうした意味でも、生産体制の強化は一つの挑戦だったことになります。このウイスキーには、そんなグレンモーレンジが新たな挑戦に乗り出した1990年に、貯蔵庫から蒸留棟へと生まれ変わったボンドハウスで初めて蒸留された原酒が使われています。そんなことが付属の冊子には書いてありました。


このウイスキーですが、一言で言ってしまうとすごく美味しいです。

最高峰のパティシエがとびきり上等なマンダリンオレンジと蜂蜜を使い、腕によりをかけて仕上げた美しいフルーツパフェが、口の中で鮮やかに結像します。計算し尽くされたエレガントさと華やかさは、現行のグレンモーレンジ・オリジナルの基本的な香味を完璧に踏襲し、それらが高いレベルへと昇華された印象を感じます。生まれ変わったBOND HOUSE No.1の杮落としは大成功だったと言えると思います。

付属していた冊子によるとバーボンカスクとシェリーカスクのヴァッテッドですが、シェリーカスクの比率は少ないそうです。正確な樽数などは記載されていませんでした。


写真は載せていませんがオイルコーティングされたオーク材と鏡面仕上げを施されたピンクゴールドの銅材が組み合わされている、一本のウイスキーを収納するという用途だけを考えれば明らかに豪華過ぎる外箱も一見の価値ありです(オークも銅もウイスキー作りには欠かせない要素なので、この組み合わせには審美的な観点以上の意味があるのだと思います)。外見に負けない素晴らしい中身と、中身に相応しい素晴らしい外見を兼ね備えたウイスキーです。


正直なところ評価の高さへの異論はあるだろうと思うので他の人の評価も是非伺いたいところですが、個人的には近年のモーレンジでは完全にベストな出来だと思います。

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